ラマスHC「オフェンス面でもっと向上を」 W杯1次予選 台湾戦後の会見

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チャイニーズ・タイペイ戦後、会見に臨んだラマスHC 【松岡健三郎】

 バスケットボール男子日本代表は22日、「FIBAワールドカップ(W杯)」のアジア地区1次予選のチャイニーズ・タイペイ戦に臨み、69−70で敗れた。

 日本は第2クオーター(Q)を終えて35−29とリードしていたが、第3Qに連続失点を喫して39−40と逆転を許す。第4Qは最後に追い上げを見せたが、1点届かず3敗目を喫した。

 試合後、日本代表のフリオ・ラマスヘッドコーチは、ディフェンスを収穫に挙げたものの、「オフェンス面ではもっと向上しないといけない部分がある」と語り、効果的な3ポイントシュートの活用や、オプションを増やすことなどを課題に挙げた。

 日本は次戦、25日にアウェーでフィリピンと戦う。

負けを分析して今後に生かす

ラマスHCはこの試合の収穫としてディフェンスを挙げた 【松岡健三郎】

――第2Qで逆転して後半につなげたけれど、第3Qはスタメンを戻して停滞した。なぜメンバーを戻したのか?

 確かにその通りだ。第2Qを終えた時点で、われわれは6点差で勝っていた。入れ替えたのは、ローテーションを尊重した結果だ。国際レベルの試合で1人の選手が20分続けてプレーするのは難しい。だからローテーションを尊重してああいう形になった。結果としてはそれがいい形につながらなかった。

――接戦で惜しい試合にはなったと思います。試合の進め方について、ここを変えておけばということがあれば教えてほしい。

 負け試合になると、自分の頭の中で分析はするけれど、この試合に関しても同じように分析をして、それを今後に生かそうと思う。ただし、私が選手交代をするのは、いいプレーをしてもらうためだ。彼らを信頼しているからコートの中に入れるし、自分は今いる12人の選手たち全員を信頼している。戦術面で何が効果的だったか、何がそうでなかったか。それを次のステップにうまく起用するために、考えながらやっている。勝てばみんなハッピーだが、負けたときはその負けを次の勝利につなげるために、分析してうまく利用する。それが今のベストだと思う。

――1点差の敗戦に終わったが、日本としてできたことは何か?

 まずディフェンスでは相手を70点に抑えられたこと。試合の準備の時点でも、そういう話をしていた。デービス(・クインシー)とチョウ(・イーシャン)を、DFでうまく止められたと思う。アシスト数は「17」を記録している。今日の試合に関しては、その3つがわれわれの収穫だと思う。

 選手全員が100点満点の結果を出すために努力していることは分かっている。私からその部分で言うことは何もない。もちろんオフェンス面ではもっと向上しないといけない部分がある。もっと効果的に、もっと効率よく攻撃できるようにしないといけない。選手たちがそれを実現するために努力していることはよく分かるし、それを今後の練習にもつないで、コートの上で表現できるようにしたい。

チームの練習を積んで向上しなければならない

3ポイントシュートを効果的に使うなど、オフェンスの強化が今後の課題だ 【松岡健三郎】

――今日はシュートの確率が37%にとどまったが、そこが低かった要因は? メンタルの問題なのか、シュートをオープンで打てていなかったからなのか?

 日によって選手が当たることもあれば、当たらないこともある。ただそれだけではなく、チームとしてもっとシュートの精度を上げるためにも練習の中でゲームの作り方、シュートチャンスの作り方を向上させないといけないと思う。一度のアタックの中で2、3回ペイントタッチができて、それをレイアップにつなげるようなプレーがもっとうまくできるように、チームの練習を積んで向上しなければならない。

 現時点では勝利につなぐ、3ポイントシュートをもっとチームとして効果的に使わないといけない。そこもうまく練習でやっていこうと思っている。あとはペイント内で、ミドルレンジのシュートもそうだが、アタックができてフリースローをもらえるような効果的なオフェンスをすることも強化していかなければいけないと思う。

――第3Qは集中力が切れているように感じたし、コーチも早めにタイムアウトを取った。チームに何が起きていて、どういう指示をしたのか?

 相手がオフェンスリバウンドを多く取って、フリースローも与えてしまっている状況だった。チーム内でも選手が慌て始めて、緊張が出始めていた。われわれは今後もそうだろうが、もっとオプションを増やさないといけない。それが今の課題になっている。こういう試合、ギリギリの展開になってくると、勝ち負けはこだわりを持っていかないといけない。良いプレーか悪いプレー、それしかないと思う。

――残り8秒の篠山竜青選手のフリースローで1本目を外して、2本目を決めていれば2点差でファウルゲームという選択があったと思う。わざと外してオフェンスリバウンドを狙って攻撃した。なぜその判断になったのか?

 最初のフリースローはもちろん入れるつもりでいたけれど、それを外してしまった。2本目のフリースローを入れてしまうと、相手がタイムアウトを取ってくるという予想だった。それではわれわれが勝利する可能性が低くなるので、オフェンスリバウンドに懸けた。

 あの時間帯はアイラ(・ブラウン)も外していたし、篠山もそうだが、全部入っていたら結果が違ったかもしれない。あくまでも可能性だが、その前の第3Qの、リードしていた時にそのまま点差を広げられれば勝つ可能性も大きかった。こういう試合は運もあると思う。元々のプランは1本目を決めることであり、1本目を外したので2本目は外せという指示をした。
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