バスケ男子代表、3大会ぶりのW杯出場へ 最初の関門はアジアの強力なライバルたち

月刊バスケットボール
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日本の地力出場は3回のみ

W杯1次予選の日本の初戦の相手はフィリピン。ロメオ(右)ら高いフィジカルや個人技を持つ選手が多くいる 【月刊バスケットボール】

 男子日本代表が五輪自国開催枠の命運をかけて臨む「FIBAワールドカップ(W杯)」のアジア地区1次予選が、11月24日のフィリピン戦より幕を開ける。「FIBAW杯」は、そもそも「FIBAバスケットボール世界選手権」という名称で五輪の中間の年に開催されていた大会だ。第1回大会(アルゼンチン)が行われたのは1950年で、以降、2010年のトルコ大会までは世界選手権として行われ、14年のスペイン大会からW杯という名称に変更された。

 前身の世界選手権でいえば、日本がアジア選手権を勝ち上がり地力で出場したのは63年(13カ国中13位)、67年(13カ国中11位)、98年(16カ国中14位)の3回のみ。その後、日本開催だった06年は開催国枠で出場。当時のチームを率いたのはジェリコ・パブリセヴィッチ(クロアチア)ヘッドコーチで、折茂武彦(当時36歳)、古田悟(当時35歳)といったベテラン勢に加え、竹内譲次、竹内公輔、桜井良太、川村卓也、五十嵐圭ら若手が活躍を見せ、パナマに勝利し43年ぶりの予選リーグ勝利を挙げる。しかし、優勝したスペインや強豪ドイツ、そしてニュージーランド、アンゴラに敗れ、1勝4敗で24カ国中17位に終わった。

 これ以降、10年のトルコ大会、14年のスペイン大会と、日本は2大会連続で出場を逃している。アジア選手権で上位3チームに入ることができなかったのだ。

 予選の大会形式も1カ所に集まって集中的に試合をする形式から、長期間のホーム&アウェー方式となり、19年に中国で行われるW杯に出場できるのはアジア予選からは16カ国中7カ国。アジア地区にオーストラリアとニュージーランドが加わったこと、W杯への参加国枠が24から32に広がったことなどで、これまでに比べアジア枠は広がっている。

 しかし、10月11日付けのFIBA(国際バスケットボール連盟)ランキングを見ると日本は50位。同じアジア地区のオーストラリアが9位、イラン22位、中国24位、ニュージーランド27位、フィリピン30位、韓国34位、ヨルダン43位ということを考えると、日本はアジアで8番目なので、ランキングどおりの結果になればW杯の出場を逃してしまう。そうした現状をいかに直視し、自チームの良さを伸ばしつつ、他チーム対策を行うのか。その成果を見せるのが、ホームで迎える初戦のフィリピン戦であり、カギを握る戦いとなるのだ。

個人技が高いフィリピン、元NBA選手のブラッチェは要注意

 日本はアジア1次予選でオーストラリア、フィリピン、チャイニーズ・タイペイとホーム&アウェーで対戦する。ここではその対戦国の現状を紹介したい。

 まず、第1戦のホーム・駒沢体育館で迎え撃つフィリピンは、バスケが国技のように盛り上がっており、PBAというプロリーグが行われている。参加しているのは12チームで、年に3つのリーグ戦を開催するというユニークな方式をとっているのも特徴だ。

 そのフィリピン、子どもの頃からストリートで技を磨いてきた選手が多いことから、クイックネスが武器で、1対1に強い選手が多い。日本の富樫勇樹(千葉ジェッツ)クラスの選手がたくさんいるというイメージと言えば分かりやすいだろう。

 また厳しい環境からはい上がってくるだけあり、ハート&フィジカルの強さも持ち合わせていて、15年のFIBAアジア選手権では2位になっている(このとき日本は準決勝でフィリピンと対戦し70−81で敗退)。欠点を挙げるとすれば、チームとしての緻密さがないことか。 

 そんなフィリピンを日本バスケットボール協会の東野智弥技術委員長は、「フィリピンの象徴的な選手と言えば、テレンス・ロメオ(179センチ)とアンドレイ・モウリス・ブラッチェ(210センチ)です。この2人に対し、どういうふうに守るのかがキーポイントになってくると思います」と分析しつつ、「この2人に限らず、フィリピンは個人技に長けている選手が多いので、それをどうディフェンスしていくのか。今は11月24日の試合に向けて、その準備をしっかりしているところです」と言う。

 そんな中でも、警戒すべきはブラッチェだろう。元NBA選手(ワシントン・ウィザーズ他)で、パワーのみならず高いスキルを駆使したポストプレーである程度点を取られることは覚悟すべきだが、それをどこまで低く抑ええられるか。ディフェンスで対峙(たいじ)するであろう太田敦也、竹内公輔の働きが重要になってくる。

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著者プロフィール

日本代表やBリーグ、Wリーグはもちろん、ミニバスから中学、高校、大学とすべてのカテゴリーの情報をフルに網羅。またNBAやヨーロッパなどの海外バスケ情報、最新ギア情報も盛りだくさん。さらに、プレーヤーのスキルアップのためのヒント、実績のある指導陣による戦術解説もわかりやすい国内随一のバスケ専門誌です

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