ネイマールのレアル移籍は実現するのか 会見で見せた涙、PSGでの厳しい現状
トップ選手の地位を固めるため、PSG移籍を決断
トップ選手としての確固たる地位を固めるため、ネイマールはPSG移籍を決断した 【Getty Images】
ネイマールは2013年夏、レアル・マドリーとバルセロナが獲得合戦を繰り広げた末、バルセロナの新加入選手としてラ・リーガにやって来た。最終的にバルセロナが彼の獲得に成功したのは、若き日のネイマールがレアル・マドリーとの契約に至らなかった過去、代理人を務める父親や関連企業の介入が影響したことも事実だ。結果としてバルセロナのサンドロ・ロセイ前会長は脱税や詐欺の容疑で監獄に入れられ、他の役員たちも大きな影響を受けることになった。
ネイマールが17年夏にパリ・サンジェルマン(PSG)に移籍したのは、選手として成熟し、トップエリートの地位を固めるためだ。世界最高の称号を争うライバルたちに対し、彼には若さという確固たる利点があった。そこでPSGの資金源であるカタールの王族たちは、ネイマールを獲得するとともに、彼を2022年のワールドカップ(W杯)カタール大会の顔とすることを考えた。
カバーニとの一件に加え、監督との不仲説も浮上
カバーニとの一件に加え、ウナイ・エメリ監督との不仲説も浮上。順調だったシーズンに陰りが見え始めた 【Getty Images】
その点、PSGでは金銭面でもイメージ的にも、チームの頂点に立つことができる。それが世界的な評価を高めることになるだけでなく、トップレベルのスター選手たちをそろえたチームの中心として今まで以上にプレーを楽しみ、あらゆるタイトルを狙える可能性もあった。
実際ネイマールは加入後すぐに際立ったパフォーマンスを発揮し、自身が大きなポテンシャルを秘めた“クラック(名選手)”であることを証明し始めた。
だが、平静と勝利に満ちたシーズンになるという加入当初の期待感は、1つの出来事をきっかけに陰りを見せ始める。ネイマールとエディンソン・カバーニがPKのキッカーを取り合った一件である。この際、チームの大半は経験豊富なウルグアイ人FWを支持していた。
さらにはネイマールとウナイ・エメリ監督の不仲説まで取り立たされるようになった。その後、ネイマールとカバーニの関係は修復されたと公表されているものの、もはやロッカールームからは加入当初のようにネイマールを歓迎する雰囲気は感じられなくなった。