プロレス“怖い”レスラー列伝 東京03豊本のプロレスあれこれ(14)
まれに“怖い”選手もいるわけで……。ボブ・サップ選手は突然暴れ出して、スタジオを飛び出しました 【写真:中原義史】
レスラーの方をゲストに迎え、プロレスのニュースや選手のお話を聞くという番組ですが、どの方も紳士で、番組のむちゃなフリにも快く対応していただけています。
しかし中には、まれではありますが、スイッチが入るというか、控えている試合に向けてお話を聞くと熱くなり声を荒らげる選手もいます。
最近だと、ボブ・サップ選手が突然暴れ出してスタジオを飛び出すということもありました。
ランス・アーチャー選手に突き飛ばされて座ってる椅子ごと僕が画面から消えたこともあります。
共に身長2メートルを超える外国人選手です。怖すぎて生きた心地がしませんでした。
怖さが違うのかもしれませんが、放送中にバラモン兄弟が乱入してきて、う◯こまみれにされたこともあります。
「タオルで殺される!」
興奮気味のベイダーに、“タオル”で引ったたかれ、死を覚悟しました…… 【写真:SHUHEI YOKOTA】
それこそ僕が中学生の時、新日本プロレスを見に行ったのですが、試合を終えて暴れ足りないとばかりに、椅子をぶん投げながら会場を徘徊(はいかい)しているビックバン・ベイダーが、そのまま会場の外に止めてあるタクシーに乗り込もうとしていました。
僕はベイダーの後を追いかけ、握手してもらおうと、「ベイダー! シェイクハンド!」と手を差し出したら、ベイダーが僕を見るなり、首にかけていたタオルで引ったたかれました。
「タオルかよ!」とお思いでしょうがとんでもない破壊力でした。とっさに頭を抱えて身を守ったつもりでも、その頭を抱えた腕に2発、背中に1発、身をかがめながらベイダーから離れました。
腕が真っ赤に腫れたのも今となっては良い思い出ですが、その瞬間は「殺される! タオルで殺される!」と思いました。
ウイリアムスのショルダータックルも体験
当時、入場を花道で待つファンがたくさんいて、僕はわりとリングに近い場所にいました。
でも、僕の前にもファン、僕の後ろにもファン。自分の位置をキープするのに精一杯の満員電車状態。そんな中、恐らく会場に姿を現したウイリアムス。歓声とカメラのフラッシュだけは遠くに感じました。「あ、出てきたんだな」と思った瞬間に、僕の目の前が“モーセの十戒”みたく、人の壁が開きました。そう、ウイリアムスはダッシュでリングまで走っていきます。
人が避けていく花道を走る中、逃げ遅れた僕とバッチリ目が合ったウイリアムス。ですが、ウイリアムスもダッシュのスピードなんて抑えられません。ちゃんとしたショルダータックルで僕を吹っ飛ばしました。しかも僕の後ろの人たちごと。
タックルが当たった場所も痛かったんですが、なにより首が痛かったことを覚えています。
ほかにも、ザ・シークに五寸釘を振り回されながら会場中を追い回されたり、ケビン・サリバンに至っては会場の外まで逃げたのにさらに追いかけられて信号渡りましたからね。
サリバンはヤバかったです。その頃は木の杭を凶器にしていて、金村ゆきひろ(キンタロー)の目を突くという狂った攻撃をしたりしてましたから。そんな危険な人が追いかけてくるんですから半泣きで逃げました。