“女子プロレス戦国時代”に思うこと 東京03豊本のプロレスあれこれ(12)
女子プロレス団体の老舗「JWP」が25年の歴史に幕。今回は“戦国時代”にある女子プロレスがテーマです 【写真:SHUHEI YOKOTA】
正直、なくなる事のない団体だと思っていました。今後は「PURE−J」という団体名で夏に正式に旗揚げするとの事。JWPのテーマである“ピュアハート”は受け継がれるでしょう。
今回のコラムは女子プロレスの話。
横一線の多団体時代に
知名度的に抜きん出ていたJWPがなくなることで、女子プロレス団体は横一列の状態に 【写真:SHUHEI YOKOTA】
興行を続けていると浮き沈みはもちろんあるでしょうし、苦渋の決断だったと思いますけど、残念です。
ただ、選手がいなくなるわけではなく、JWPにいた選手はそのままPURE−Jに所属となり、より一層頑張ってくれると思います。
そしてこれで、ある意味本当の“女子プロレス多団体戦国時代”だと思います。多少の差はあれど、ざっくり言うなら横一線と捉えても良いかもしれませんし、どこが飛び出てきてもおかしくない。
PURE−J
OZアカデミー
プロレスリングWAVE
LLPW−X
アイスリボン
ワールド女子プロレス・ディアナ
REINA女子プロレス
スターダム
センダイガールズプロレスリング
東京女子プロレス
我闘雲舞
世界プロレス協会
Marvelous
SEAdLINNNG
Beginning
今、現在、女子プロレスと言われてる団体がこんなにあります。そして各団体が試行錯誤で団体のカラーを出そうとしています。
団体が多いと起こる問題点
“クラッシュギャルズ”を生み出した時代は、今とは違う状況だったかもしれません 【佐瀬順一】
団体が多くて所属が少ない、つまり興行をするのに他団体から選手を借りる。つまりこの選手はここでも、あそこでも見られるという事になります。
そうなってくるとプロレスファンは大変。
団体を越えたカードが見られたり、お目当の選手の試合がたくさん見られるメリットもありますが、チケット代が大変という問題。
他にもビギナーのお客さんが、ちょっと気になった選手を見に行こうとしてもどこに見に行ったらいいかよく分からないという問題。
この辺りは本当に難しい問題です。
問題解決として、いっそのこと、団体は所属だけで、団体を5つ位にまとめちゃえばいいって思うでしょうけど、人間関係もありますし、そもそも所属を増やすということはそれを抱える団体の資金力も必要になってきます。そうなると簡単にはいきません。
他にも問題解決で、お客さんが集まる“クラッシュギャルズ”みたいなスター選手を作れば良いじゃんって声もありますけど、なかなかそんな逸材は生まれません。この2人は、プロレスが好きな、レスラーになりたい何千人の中からオーディションで合格し、厳しい練習や試合をという環境の中で産まれた存在ですから。
しかしながら現役のレスラーの中で個人的には「もしや?」と思う選手もいるのでスターが産まれないとも言えないですけどね。
皆が報われる未来へ 勝手な親心で見守ります!
現に最近では、本間朋晃選手が頸椎損傷で大きな手術をしたり、柴田勝頼選手が硬膜下血腫で手術をしました。どちらもプロレスが原因で、命に関わるものです。プロレスが好きでプロレスラーを志し、極限まで体を鍛え上げてもこういうことが起こります。そしてそうなった時、プロレスがしたいから、またリングに上がりたいから、プロレスを恨まず、手術やリハビリに強い心を持って臨むことができるのだと思います。
ですので、各団体、そしてこれからリングに上がる別ジャンルの方々は、そこら辺の問題を考えていただきたいですね。万が一の保証とかも含めて。
とにかくこの女子プロレス戦国時代の行く末を僕は見守って行くつもりですし、各団体ある種、ステップアップのチャンスだとも思います。
勝手な親心で不安もありますが楽しみでもあります。
最後になりますが、リングに上がるレスラーは命を削って戦っています。皆が報われるような未来になっていただきたいです。
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