U-20代表の合宿で感じた「価値ある競争」 森島、久保ら常連選手以外が猛アピール
1泊2日のミニ合宿を実施
本大会開幕までに候補メンバーが集まることができるのは今回を含めてわずか3回。貴重な時間を費やす合宿となった 【川端暁彦】
今回の合宿は3月10日の金曜日にJリーグの試合が組まれている影響もあり、柏レイソルDF中山雄太らが事前に辞退し、ベストメンバーの招集はできなかった。その分、招集歴の浅い選手たちにチャンスが出た面もあり、MF針谷岳晃(ジュビロ磐田)、DF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)といった今季Jリーグ入りしてプレシーズンマッチやリーグ戦で活躍した高卒ルーキーが抜てきされたほか、MF森島司(サンフレッチェ広島)、FW邦本宜裕(アビスパ福岡)のような高卒2年目で所属チームの中で存在感を増しているような選手も久々の招集となった。彼らにとっては世界大会に向けた大きなチャンスだった。
とはいえ、1泊2日のミニ合宿でやれることはおのずと限られる。1つ、大きな目的だったのは7日の集合早々に行われたフィジカルテスト。国立スポーツ科学センターの最新機器を使い、スピードや跳躍力、持久力など各自のアスリートとしてのパフォーマンスをチェック。これらは選考の参考にする部分もあると思われるが、何より各選手に「どこを強化すべきか」を把握させることに意味があったようだ。
内山監督「ここから競争が始まる」
FC東京との練習試合では昨季Jリーグ得点王のFWピーター・ウタカが先発に名を連ねた 【川端暁彦】
この紅白戦は邦本とFW岩崎悠人(京都サンガF.C.)が2トップを組み、森島が左MFで起用されるなどテスト色のより濃い顔ぶれだったグループが2−0で勝利(岩崎とMF伊藤洋輝=磐田U−18の得点)。ボール支配など内容面でも上回っており、2日目に行われたFC東京との練習試合でも、彼らが先発のピッチに立った。
対するFC東京は今週末に行われるJ3リーグ開幕戦を見据えたFC東京U−23の選手たちをベースにしつつも、調整中の昨季Jリーグ得点王のFWピーター・ウタカも先発に名を連ね、東南アジアからの練習生も加わった少しイレギュラーな編成のチーム。U−20代表からしてみると、同世代の選手も多く、負けていい相手でないことは明らかだった。日本側は負けられないという意識を持ちながら、同時に(実は指揮官の意図どおり)多少連係面でチグハグな部分もあるチームで、どう個としての力を出し切れるか。それが問われることとなった。
存在感を示した森島と伊藤
森島は世界大会に向けた新候補として、充分に存在感を示した 【川端暁彦】
また高校2年生ながら飛び級招集となったボランチの伊藤もアグレッシブなプレーを見せて、前日の紅白戦に続いて猛アピール。「絶対、世界大会へ行きたい」と語る186センチの大型センタープレーヤーは似たタイプの選手が見当たらないだけに、将来性を考えても候補の1人だろう。