安田で花咲くフラワーパークの子=乗峯栄一の「競馬巴投げ!第99回」

乗峯栄一

カレンブラックヒルの鞍上は武豊

[写真6]昨秋マイルCSが惜しかったフィエロ、ここで待望のGI勝ちを決めるか 【写真:乗峯栄一】

 そんなことで、つまり、フグ白子を考えると、ぼくの場合、橋口調教師を思い出すということだ。もちろん橋口厩舎について思うことは、単にいいものを食べさせてもらったというだけではない。

 普通、厩舎というのは、成績が上がってくると、取材が殺到するし、注目馬がいればピリピリしてくるし、ナーバスになるものだが、橋口厩舎にはそれがない。いつでも、どの取材者でも、同じように丁寧に穏やかに応接する。これにいつも感心する。その橋口調教師もいよいよラストイヤーとなった。寂しい。ダービー連覇はならなかったが、この安田記念にも2頭を出す。ラストイヤーGIも十分にある。

 話の流れからいくと、当然橋口勢どちらかを◎とするというところなのだが……。

 まあ、とりあえず写真説明からする。先週、栗東で安田記念ゼッケン馬を何頭か撮影できた。

[写真1]は武豊鞍上のカレンブラックヒル。主戦騎手秋山真一郎がケガをしての乗り替わりだが、2月に小倉で重賞を勝って復活気配だ。

[写真2]は昨秋マイルCSの優勝馬ダノンシャーク。今回は岩田康誠騎乗で、これも怖い。

[写真3]は昨年年明けの金杯を勝ったエキストラエンド。勝ち星はそれ以来遠ざかっているが、角居厩舎流サプライズがあるかも。

[写真4]はブレイズアトレイル。予備登録では19位だったが、ロゴタイプの回避などで繰り上がった。幸運を持つ。

[写真5]は橋口勢2頭のうちの1頭レッドアリオン。マイラーズCは快勝だった。

 ここまでが今年の安田記念ゼッケン馬で、あと2頭は昨年の安田記念週の撮影だ。

[写真6]はフィエロ。昨秋のマイルCSが惜しい2着、前走マイラーズCも差のない3着だった。

[写真7]はミッキーアイル。この写真の昨年は3歳だったが、ダービーには見向きもせず安田記念ゼッケンを付けていた。

◎ヴァンセンヌ、一瞬の脚に磨き

[写真7]ミッキーアイルは走法に幅が出てきた 【写真:乗峯栄一】

 で予想だが、写真の関西馬以外にも、猛烈勢いの関東・堀厩舎モーリス、リアルインパクトがいて難解だ。でも今回勝つのは関西馬のように思える。連勝中のモーリスだが、たとえば同厩舎ドゥラメンテのような圧倒的破壊力はない。一番人気のようだが、抜けた存在とは思えない。

 関西馬ではミッキーアイルとヴァンセンヌに目がいく。走法に幅の出たミッキーアイルも魅力だが、前走出遅れ、直線だけであわやの2着にまで追い込んだヴァンセンヌに、より食指が動く。前が開いたときに突っ込む一瞬の脚にも磨きがかかっている。東京新聞杯を勝ったときに「フラワーパーク産駒初めての重賞か」と感慨をもったが、あのとき以上に強くなっている。鞍上福永祐一もダービーの悔しさをここで晴らす。

 (13)ヴァンセンヌの単。ヴァンセンヌ頭固定3連単。ヒモに(5)ミッキーアイル、(10)フィエロ、(2)ダノンシャーク、(6)モーリス、(16)カレンブラックヒル、(9)リアルインパクトの6頭、計30点でいく。

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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