レッドソックス躍進を支える若手3選手 2年連続最下位から地区優勝争いへ
ア・リーグトップとなる打率をマークしているボガーツ 【Getty Images】
その中で、特に鮮やかな輝きを放っているのが通称「Killer B’s(キラー・ビーズ)」。23歳のイグザンダー・ボガーツ遊撃手、ムーキー・ベッツ外野手、26歳のジャッキー・ブラッドリー外野手という生え抜きの野手トリオである。
6月23日(現地時間)の試合後の時点で、ボガーツは打率3割5分1厘、9本塁打、10盗塁で打率ではア・リーグ首位を快走している。ベッツは打率2割9分、15本塁打、11盗塁、ブラッドリーも打率3割2厘、12本塁打とそれぞれ好成績をマーク。この3人は好守でも知られ、中でもブラッドリーはダイナミックな美技で頻繁に魅せてくれる。
若さと攻守両面の能力を備えたトリオは他チームの垂涎の的。彼らの働きもあって、過去2年連続でア・リーグ東地区最下位に沈んだレッドソックスは現在、1位のオリオールズに1.5ゲーム差の2位につけている。熱狂的なボストニアンが、地元の象徴でもあるチームに再び希望を抱き始めているのも当然だろう。
取り組む姿勢はジーター同様
メジャー昇格2年目の14年、ヤンキース戦でボガーツが目を輝かせてそんな風に話していたのが思い出深い。
球史に残る遊撃手だったジーターに憧れて育ったボガーツは、13年にジーターと同じく弱冠20歳でメジャーデビュー。若さに似ず成熟していたボガーツは、この年のプレーオフでもいきなり12試合に出場し、ワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。14年こそ打率2割4分と“2年目のジンクス”を味わったが、昨季は打率3割2分、196安打でシルバースラッガー賞を受賞した。
迎えた今季は打率、OPS、得点、安打数、二塁打はすべての遊撃手の中で1位。ついに完全開花を感じさせ、今ではこのボガーツこそがメジャー最高の遊撃手ではないかと言われるようになっている。
「(デレク・ジーターは)ライバルチームの選手だけど、僕は適切な選手を模範し、同じようにプレーしようと努めている。ジーターと同じような実績を残そうなんて考えるのは難しいけど、最も参考になるのは彼がどんな姿勢でプレーに臨んできたか。それこそがもっとも特別なことなんだ」
現在のプレーぶりを見ても、当時のボガーツのそんな言葉が口先だけのものだったとは思えない。とても辛抱強く、何よりもチームを重視するプレーヤー。台頭期からベテランたちも一目置くほどの献身的姿勢を備えていたジーターとの共通点を、ボガーツにも見出すことができる。