“天才打者”秋山翔吾が選ぶ「凄い投手トップ5」 困惑した左腕、圧倒された右腕、現役NPB投手とは?

三和直樹

ルーキーイヤーだった2011年、西武時代の秋山。「やっぱり1年目の衝撃度が大きい」と語る 【写真は共同】

 スポーツナビの公式YouTubeチャンネルでライブ配信された『袴田彩会の野球を語らナイト★2024総決算SP』で、フリーアナウンサーの袴田彩会さんをMCに、元ヤクルト・ソフトバンクの五十嵐亮太氏と元ロッテ監督の井口資仁氏が招かれ、さらに現役プレイヤーとして広島の秋山翔吾選手がゲスト出演した。

 今回は、西武時代にシーズン最多安打記録を樹立し、侍ジャパンやMLBでもプレーした経験豊富な“天才打者”秋山選手が語った「凄い投手トップ5」を紹介したい。

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体感150キロに「これがプロのボールか」

 長く続く日本プロ野球の中で、「天才打者」の枕詞を用いられる選手は数多くいる。その根拠は様々あるが、2015年に樹立したシーズン216安打のプロ野球記録保持者である秋山は、それに相応しい。記録達成以降もヒットを重ねて2017年から3年連続で最多安打のタイトルを獲得した秋山は、2019年のオフに海外FA権を行使して海を渡り、2022年のシーズン途中に広島に移籍した。その道程の中で、「凄い」と感じた投手は多くいたようだ。

 最初に名前を挙げたのが、成瀬善久(元ロッテほか)だった。初めて対戦したのは秋山のプロ1年目となる2011年のオープン戦。秋山は「やっぱりアマチュアからプロに入った時のギャップ、衝撃度は大きかった」と振り返りながら、すでにロッテのエースとして名を馳せ、北京五輪にも出場した“招き猫投法”の変則左腕の投じたボールを次のように語る。

「全く力感がないところから投げて、130から135キロ届くかどうかのスピードガンのボールが、145とか150キロの体感だった。それぐらいギャップを感じたボールで、『これがプロのボールか!』、『これぐらい力感なく投げられる人とやっていくのか、怖いな』と思った」

 そして成瀬の“球の見えづらさ”について、自身の困惑ぶりを改めて振り返る。

「当時は球が見えづらいのが、フォームなのか何なのか、まだわかっていないんですよ。今でこそ、成瀬さんの投げ方(手首を曲げて)ブラインドして(球が)隠れてたから見づらかったんだなってわかるんですけど、当時は何でこんなに(スピードガンと体感スピードに)ギャップがあるんだろうって。その衝撃度、凄いなと思いました」

通算5打数無安打4三振の右腕

 秋山が2人目に挙げた「凄い投手」は、日米通算170勝の右腕、岩隈久志(元楽天ほか)だった。

 対戦したのはプロ1年目の2011年のみで「対戦はそんなにない」と言うが、強く記憶に残っているのが、東日本大震災の影響によって開幕が遅れた中で迎えた4月26日、皇子山球場での対戦だった。

「西武の本拠地開幕戦を皇子山でやったんですけど、本当に覚えています。もう、真っ直ぐとフォークの見分けが付かなくて。もう(球種を)決めて打ったんですけど、次はフォークと思ったら真っ直ぐで見逃し三振、真っ直ぐかと思ったらフォークを振ってしまって…。WBCであれだけ打ち取れたのは、こういうところかと思った」

 2011年は岩隈がMLBへ移籍する前のNPB最終年。秋山が克明に覚えていた皇子山での一戦で、岩隈は9回5安打13奪三振で完封勝利を挙げており、秋山は2打席連続三振で途中交代。結局、秋山は岩隈に対して通算5打数無安打4三振と、ヒットを1本も打つことができなかった。

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著者プロフィール

1979年1月1日生まれ。大阪府出身。学生時代からサッカー&近鉄ファン一筋。大学卒業後、スポーツ紙記者として、野球、サッカーを中心に、ラグビー、マラソンなど様々な競技を取材。野球専門誌『Baseball Times』の編集兼ライターを経て、現在はフリーランスとして、プロ野球、高校野球、サッカーなど幅広く執筆している。

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