横山典、熟練の手綱さばき今度は府中で! クラリティスカイ狙い通りのマイル頂点

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父クロフネに続く父子2代制覇

クラリティスカイがNHKマイルCを制し3歳マイル王に! 横山典弘は2週連続のGI制覇だ 【スポーツナビ】

 JRA3歳マイル王決定戦、第20回GI・NHKマイルカップが10日、東京競馬場1600メートル芝で開催され、横山典弘騎乗の3番人気クラリティスカイ(牡3=栗東・友道厩舎、父クロフネ)が優勝。好位から直線を鮮やかに抜け出し、3歳マイルの頂点に立った。良馬場の勝ちタイムは1分33秒5。

 クラリティスカイは今回の勝利でJRA通算8戦3勝、重賞は昨年のいちょうステークス以来の2勝目。そして、2001年の勝ち馬クロフネに続くNHKマイルカップ父子2代制覇となった。また、騎乗した横山典は前週のGI天皇賞・春に続き2週連続のGI勝利、NHKマイルCは1999年シンボリインディ以来となる2勝目。同馬を管理する友道康夫調教師はNHKマイルC初勝利となった。

 なお、1馬身差の2着には柴山雄一騎乗の4番人気アルビアーノ(牝3=美浦・木村厩舎)、さらにクビ差の3着には柴田善臣騎乗の2番人気ミュゼスルタン(牡3=美浦・大江原厩舎)が入線。1番人気に支持されていた戸崎圭太騎乗のグランシルク(牡3=美浦・戸田厩舎)は5着に敗れた。

「いちょうSと同じようなレースになるだろうなと」

まさに“狙い通り”のレースを展開し3歳マイルの頂点に立った 【スポーツナビ】

 古都・淀3200メートルで歴戦の古馬の底力を蘇らせた熟練の腕が、今度はここ新緑の府中で若い3歳馬の能力を存分に発揮させた。

「厩舎スタッフがよくここまで馬を持ち直してくれたと思いますね。それに応えられる騎乗ができたかなと思います」

 そう振り返ったのは47歳のベテラン、横山典弘だ。先週の天皇賞・春はゴールドシップで“常識外れ”の向こう正面スパートから復活V。そして今週のこのNHKマイルカップは、クラリティスカイを駆って好位から抜け出す正攻法の競馬で完勝と、変幻自在の腕達者ぶりを西で東で見せつけたのだ。

 しかし、当のジョッキー本人はいたって冷静。あくまで“馬が頑張ったおかげ”“ここまで馬を仕上げた厩舎の力”という姿勢を崩さない。ただ、そんな横山典のコメントを聞きながらも、やはり、このレースを読み切った名人の洞察力は見逃せないところだ。

「いちょうステークスみたいな競馬になるだろうなと思っていました。だから、同じようなことを繰り返しただけです」

 いちょうステークスとは、昨年10月に開催された今回と同じ東京マイルコースの2歳新設重賞。横山典とクラリティスカイはこのレースを、好位4番手からきっちり抜け出しレコード快勝している。ジョッキーが語った通り、まるでいちょうSのリプレーを見ているかのような、今回の勝ちっぷりだった。

 もっとも、NHKマイルCの方がいちょうSよりも前半の600メートルがさらに1秒ほど遅いスローペースだったわけだから、なおさら横山典がスタート後すぐに「狙っていた通り」取りに行った5番手好位のポジションが効いてくるというもの。

「上がりの競馬になりましたからね。具合さえ良ければ長くいい脚を使う馬なので、こっちが思っていたとおりに伸びてくれましたよ」

 クラリティスカイの上がり3Fはメンバー中2番目に速い33秒9。最速の上がりが中団に控えていたミュゼスルタン、アヴニールマルシェの33秒8だから、これでは好位から抜け出したクラリティスカイには到底届かない。すべては横山典の“読み”通りに運んだレースだったというわけだ。

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