連載:マイアミの奇跡から25年 そして東京五輪へ
プロローグ
1996年7月21日──。アトランタ五輪で若きサッカー日本代表が強豪ブラジルを倒した「マイアミの奇跡」から、四半世紀という時が流れた。今では日本中を熱狂させ、世界を驚かせたあのジャイアントキリングを、知らないファンも多くなったかもしれない。けれど、日本サッカーが国際大会の常連となっていく、その端緒を開いたという意味でも、アトランタの記憶は決して忘却の彼方へ追いやってはならないはずだ。
なぜ28年ぶりの五輪出場を果たせたのか、なぜ本気のブラジルに勝てたのか、なぜ2勝1敗という成績を残しながらグループリーグ敗退を余儀なくされたのか。そこから学ぶべき教訓は少なくない。25年目の節目にいま一度、96年アトランタ五輪をフィーチャーし、さらに開幕目前の東京五輪でメダル獲得を目指す、U-24日本代表の現状にも触れていく。