「笑顔は伝染する」を合言葉に――スマイルジャパンが五輪切符を獲得 最多得点の輪島夢叶「めちゃくちゃ楽しかった」

沢田聡子

ミラノ五輪で壁を超えるために

今大会3試合で5得点を挙げたFW輪島夢叶(左)は代表のスコアリングをけん引する存在に 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 北京五輪でのスマイルジャパンは、初の決勝トーナメント進出を果たしたものの、準々決勝でフィンランドに1-7というスコアで敗れた。ミラノ五輪では、その壁を超えることを目指す。

「前回の世界選手権でも、私たちは攻撃の部分で不足していたので、ここ1年間でスコアリングを強化してきました」と細山田は語る。

「このレベルの大会(最終予選)では強化してきた部分を出し切れたと思うのですが、上のレベルになっていくと、またその部分が難しくなってくると思うので。敵の守り方によって、如何に新しいアイデアを出しながら自分たち の動きをしていくかというところが、大事になってくるのかなと思います」

 今大会で代表のスコアリングをけん引する存在となった輪島も、世界トップクラスとの対戦では違う展開になると予想する。

「今大会の3試合を戦った中であったようなフリーで打たせてもらえるシーンは、(対戦相手が)強いチームになってくると、なかなかない。(スコアリングチャンスは)本当に1回あるかないかという勝負になってくるので、そこでしっかりと結果を残せるよう、スコアできるようになりたい。

 体があまり大きくない(身長156センチ)ので、一回押さえられてしまうとなかなか抜け出せず、スコアリングチャンスまでもっていけない。スピードはしっかりと自分の武器にしながら、スコアも意識してやっていかないと」

 輪島が今目標に掲げるのは、「とりあえず、オリンピックに出場すること」だ。

「オリンピックの出場権は獲得しましたけど、まだあと1年でメンバー交代もありますし。そこにしっかりと自分が入って活躍するということを、今は大きい目標に掲げています」

 スマイルジャパンが掲げる、「笑顔は伝染する」という言葉。その象徴にもみえる輪島は、1年後の笑顔のため、チームと共に冬季アジア大会(2月・中国)、世界選手権(4月、チェコ)に挑む。

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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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