激戦ローテ争い、移籍組の状態、期待の若手は? 五十嵐亮太がソフトバンク投手陣のキャンプを評価
昨年プロ初勝利の前田純の飛躍が楽しみ
彼は両サイドを投げ分けるというよりも縦の変化で勝負する投手です。真っすぐも角度とスピン量があるので、空振り三振が取れます。あとはカーブとチェンジアップですね。昨年はカットボールも投げていましたが、真っすぐに影響が出たとのことで少し弱めたそうです。今年は投げ方を工夫して、カットボールもいい形で投げられていると話していました。バッティングピッチャーで投げている時も「自分の感覚とボールが一致していた。真っすぐである程度強いボールが投げられた」とも話していて、ここまですごく順調に来ていますね。フォームもいいですし、持っているボールを考えると今年とても楽しみな選手です。
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今年から導入されたS組の選手はまだ合流前で見られていませんが、オスナ投手、ヘルナンデス投手、松本裕樹投手、藤井皓哉投手といった昨年勝ちパターンで投げてきた投手たちは、よほどのことがない限り同じように起用すると思います。
あとは杉山一樹投手、尾形崇斗投手、津森宥紀投手も入ってきそうです。杉山投手は自分のペースで練習していましたね。尾形投手は目指しているところが高いというところもあって、かなり精力的に投げ込んでいました。第2クールでもガンガン投げていましたね。本人が納得しているかわかりませんが、この寒さにも関わらず、ある程度強いボールを全身を使って投げ込んでいました。そういう姿を見ると、今年にかける意気込みを感じますよね。
尾形投手が面白いことを言っていました。今年は“伸びる”ツーシームを投げるらしいんです。通常ツーシームはシュート回転で空気抵抗を考えたら沈むんですけど、その沈む割合を減らして逆に伸ばしたいと。ホップするツーシームとのことですが、なかなか面白い発想を持った選手だなと感じました。
――投手陣全体で、五十嵐さんが一番印象に残った投手は?
ある程度年齢がいっているのに結構投げているな、調整が早いなと思ったのが又吉投手ですね。この時期にしては仕上がりが早いと感じるほど、めちゃくちゃ動けているんですよ。積極的に動いていて、見ていて気になった存在でした。若手はある程度結果を残さないといけないので若干調整が早くなっても不思議ではないのですが、そんな中で、ベテランの又吉投手が同じぐらいの仕上がりでした。166球も投げている日もあって、もちろん質も大事なんですが、量へのこだわりも今回のキャンプで見られましたね。
あとは大津投手。話していて、言っていることとやっていることとがすごく一致するので、見ていてスマートだなと感じました。さまよっていないというか、やりたいこと、やらなければいけないことが明確で、それをクリアしたら次、というステップを踏んでいる。すごくわかりやすいなと感じました。