【スキー】ノルディック複合 葛西優奈選手がW初優勝!2位春香選手と「目標だった姉妹で表彰台」の快挙を達成!

チーム・協会
 ノルディックスキー複合ワールドカップ(W杯)女子は2月7日から9日まで、エストニア・オテパーで今季個人第10、11、12戦の3連戦が行われ、初日のマススタート5kmで葛西優奈選手(早稲田大学)がW杯初優勝を飾りました。2位に入った双子の妹・春香選手(早稲田大学)とともに、目標にしてきた「2人で表彰台」を実現。2月4日に21歳の誕生日を迎えたばかりの2人が、自ら「最高の誕生日プレゼント」(春香選手)を手に入れました。
 春香選手は2戦目2位、3戦目も3位に入り、前週のオーストリア・ゼーフェルト大会から5戦連続表彰台となりました。

W杯初優勝を飾った葛西優奈選手(中央)と2位に入った春香選手 【全日本スキー連盟ノルディック複合チーム】

1日目マススタート5km

 初日のマススタートは先にクロスカントリーを行う試合方式で、春香選手が3位、優奈選手が5位で後半のジャンプへ。先に飛んだ優奈選手が最長飛距離93.5メートルで4人を残してトップに立つと、その後に飛んだ春香選手は91メートルの2位。残すジャンパーが1人となり、まずは2人の同時表彰台が確定。優勝の行方を決める最終ジャンパー、イダマリエ・ハーゲン選手(ノルウェー)が着地で転倒するアクシデントが発生し、リーダーズボードの優奈選手からそれまでの笑顔が消えたものの、ハーゲン選手が立ち上がったのを見届けるとチームメイトと抱き合って初優勝を喜んでいました。
 海沼優月選手(鹿角高校)も前半14位から大きく順位を上げ、W杯の自己最高成績を更新する6位でゴールしました。

〇1日目マススタート5km結果
優勝 葛西優奈
2位 葛西春香
6位 海沼優月
20位 畔上沙那(岐阜日野自動車SC)


笑顔のち不安顔、また笑顔の初V!

2日目グンダーセン5km

 2日目の今季第11戦はグンダーセン方式で実施。葛西春香選手が最長飛距離96メートルの1位で後半レースへ進むと、11秒差の4番手でスタートしたイダマリエ・ハーゲン選手との一騎打ちに。敵なしの走力を武器に開幕から7連勝したハーゲン選手に「ついて行けるところまでついて行こうとチャレンジした」という春香選手、レース終盤まで食らいついたものの3.5km付近で離され、2位でゴールしました。
 前半5位の優奈選手は現在W杯総合首位につけるナタリー・アルムブルスタ選手(ドイツ)と激しい3位争いを演じるもわずか0.1秒の差で表彰台に届かず。それでも、ラスト直線勝負の面白さを存分に見せてくれるレースでした。

〇2日目グンダーセン5km結果
2位 葛西春香
4位 葛西優奈
11位 海沼優月
16位 畔上沙那


0.1秒差!ノルディック複合の醍醐味 スプリント勝負

3日目コンパクト5km

 最終日のコンパクト5kmでは、5秒差でレースをスタートした前半3位の優奈選手と4位の春香選手が3位をめぐってデッドヒートという、まばたきすらできない展開に。春香選手が0.2秒先にゴールラインに足を伸ばし姉妹による大接戦を制しました。
 これで5戦連続の表彰台となり、どんな試合方式でも結果を出している春香選手、ゼーフェルト大会の前に取り組んだ「タフなコースでも、体を最後までしっかり動かし続けられることを目指した練習が生きている」と明かしました。

〇3日目コンパクト5km結果
3位 葛西春香
4位 葛西優奈
15位 海沼優月
20位 畔上沙那


まばたき厳禁!葛西姉妹のデッドヒート
 
 ノルディック複合はオテパー大会が世界選手権(ノルウェー・トロンヘイム)前最後のW杯となり、2月27日の個人マススタート5kmから始まる世界選手権には、前回大会銅メダルの葛西春香選手、葛西優奈選手、畔上沙那選手、海沼優月選手の4人が出場します。

 葛西優奈
「優勝が決まった時はすごいびっくりし過ぎて、何を思っていたのか全然覚えていないけれど、優勝したことよりも、2人で表彰台に上がれたことの驚きの方が強かったかもしれません。
実感が全然湧かなくて宿舎に戻ってきて試合の映像や写真を見たり、いろんな方からメッセージを頂いたりして、少しずつ自分が優勝したんだなあって実感が湧いてきました。
2日目、3日目はどちらも4位で、0.1秒と0.2秒という1秒もない差で表彰台を逃してしまって悔しいけれど、少しずつ自分のパフォーマンスが上がってきていることを実感できた3連戦だった。
世界選手権ではもちろんメダル獲得、姉妹2人で獲ることを目標にしています。今季ワールドカップの表彰台は一度だけですが、ジャンプも走りも少しずつ調子が上がってきていて、メダルを狙えるところまできていると思う」

 葛西春香
「優奈と初めて一緒に表彰台に上ることができた。優勝できなかったことはもちろん悔しいですが、2人で表彰台に上るという目標を達成できた嬉しさの方が大きい。
2日目はいい風にも恵まれて、ヒルサイズ近くまで飛ぶことができた。ジャンプの感覚が狂っている中での試合だったので、いいシャンプができて少しホッとしました。クロスカントリーはイダについて行けるところまでついて行こうとチャレンジしましたが、離されてゴールでした。イダは最後までパワーのある走りでやっぱり速いなと感じ、(自分の)課題が明確になったと思う。
3日目は疲労を感じる中での試合でしたが、最低限のパフォーマンスはできたかな。世界選手権に向けて少し休み、トレーニングを再開していけたら。世界選手権では個人戦のメダル獲得が目標」

FISノルディック複合の公式YouTubeではW杯の一部大会をライブ配信しており、配信済み動画も視聴できます。チーム公式インスタグラムで試合開始時間や配信リンクをお知らせしているので、フォローよろしくお願いします!
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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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