和田毅&斉藤和巳が振り返る“ホークス4本柱時代”「和巳さんはラスボス」「お前らがいなかったら…」
現役を引退した和田毅さん(左)と斉藤和巳さんの「鷹のエース対談」が実現 【写真:スリーライト】
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悪あがきさせてもらった5年間
和田 肩を痛めた2018年はまったく投げられなくて、復帰はできたものの、投げられるまでに1年半かかりました。2019年に「もし戻れなかったらやめよう」と自分でも決めていたんです。その頃から毎年「駄目だったらやめよう」「体が持たなくなったらやめよう」と毎年決めてやっていました。
斉藤 2019年くらいから引退を…。
和田 常に横にありながらですね。「もう無理だな」と思ったら引退しなければならない、「野球をやめる年なんだろうな」と思いながらやってきて、それが今年だったんです。小久保監督にホーム開幕戦で登板と言われながらも間に合わなかったり、膝がおかしくなったり、ぎっくり腰をやったり、いろんなことが起きました。膝をかばって投げていたら、肩もだんだんと痛くなってきて…。
斉藤 膝も痛くなってきた?
和田 はい。7月くらいですね。
斉藤 そう考えると粘りに粘って…。
和田 5年間粘ったので。そんな状況だったので、妻にも2019年くらいからは毎年「やめるかも」と言っていました。今年7月に妻に「今年でやめるわ」と言ったら「よく5年間頑張ったね」と言ってくれました。
斉藤 今年は登板間隔を空けてもらいながら、2勝2敗。さすがにもう体が…?
和田 ホーム開幕戦に間に合わなかったことが自分の中では本当に悔しい、情けなくて…。そこから二軍で調整して一軍に上がってはいますが、良い時もあれば、悪い時はとことん悪かったです。今までは登板間隔を空けてもらえれば、そこまで悪くなることはあまりなかったんですが、ぎっくり腰になって朝起きたらまったく体が動かないこともあって、メンタル的に…。
斉藤 そっちか。
和田 もう「(野球を)やっちゃダメだよ」と言われているんじゃないかなと。
斉藤 やめる時はそんなものかもしれないけど、この5年間でいろいろと乗り越えてきたから感情が揺れるよな?
和田 自分の中ではこの5年間でかなり悪あがきをさせてもらったので。若い投手もいっぱい育ってきていますし、「選手としての役割が終わってきているな」と、この5年間で少しずつ感じてきていました。特に今年は自分がいなくても先発ローテーションは回っていましたし、もう「僕自身が選手でなくてもいいな」と。選手としてではなく、違う立場でホークスに恩返しをすることを考えないといけないなと思ったのが今年で、その思いはすごく強かったんです。
プロ1年目で日本シリーズ胴上げ投手に
2003年当時の和田毅さん(右から2人目)と斉藤和巳さん(右端) 【写真は共同】
和田 金髪の丸坊主(笑)。背も高かったので、めちゃくちゃ怖かったのが第一印象でした。
斉藤 野球と関係ないやん(笑)。
和田 でも話すと兄貴肌で、優しかったです。
斉藤 俺はワッチが入団してきて、1年目からローテーションに入るだろうなという目で見ていたよ。しかも1年目で日本シリーズの胴上げ投手になったもんな。
和田 でも実際は、「なんで僕が最後に投げるの?」と思っていたんです。7回まで我慢すれば岡本(克道)さん、篠原(貴行)さんがいるからと思って投げていたんですけど。今だったら1年目の投手が日本一が決まる試合で完投なんてあり得ないですよね。「本当に僕でいいのかな?」と思いながら投げていたのをおぼえています。
斉藤 でも、1年目から14勝やで? プロ生活1年目はどうだった?
和田 2003年は打線もすごかったじゃないですか。
斉藤 本当にそれはわかる。
和田 3~4失点しても粘れば取り返してくれるので、気がついたら勝っている。打線のおかげというイメージしかないですね。
斉藤 あの打線をバックに勝てなかったら、どこに行っても勝てないよな。
和田 100打点以上が4人いましたもんね。(※松中信彦123打点、城島健司119打点、井口資仁109打点、ペドロ・バルデス104打点)
斉藤 すごいよな!