今江敏晃・前楽天監督が侍ジャパンに熱視線! 中継ぎ転向させた藤平尚真に「ハマってますね」

三和直樹

注目の日韓戦は侍ジャパンが6対3で勝利。スポーツナビ公式YouTubeでは“見ながライブ”が実施された。 【Photo by Gene Wang/Getty Images】

 野球の国際大会「プレミア12」は連日に渡って熱戦が繰り広げられている。スポーツナビでは15日、オープニングラウンドB組の日本vs.韓国で「プレミア12速報見ながライブ」と題した生配信をYouTube(スポーツナビ野球チャンネル)で実施した。

 視聴者もリアルタイムにコメント参加できた中、フリーアナウンサーの袴田彩会さんをMCに、プロ野球OBの五十嵐亮太氏、糸井嘉男氏、さらに今季、楽天で監督を務めた今江敏晃氏をゲストに招き、試合開始前から熱いトークを展開。試合中も多くの秘話や思い出話などが語られ、日本代表が6対3で韓国代表に勝利した試合と同様に大きな盛り上がりを見せた。

「少し寂しい気持ちもあります」

 配信開始後に視聴者とともに出演者たちが最初に気になったのが、今江氏の“現在の心境”だった。

 監督退任後、フリーの立場となってから初めてのメディア出演となった今江氏は、2年契約を打ち切られる形で1年のみで終わった自身初の監督生活に「少し寂しい気持ちもあります」と率直な思いを吐露。それでも「本当にいろいろ経験させていただいて、人生としてかなり勉強になった1年だった。とにかく選手たちがグラウンド上で結果を出してくれて喜んでいる姿を見て、本当に親心みたいな感じだった。コーチの時とは違った喜びがありましたね」と充実した1年を振り返った。

 今季の楽天は開幕前、多くの球界OB・評論家たちから最下位予想されるなど、前評判が低かった。しかし、球団初の交流戦優勝を飾って急浮上すると、粘り強い戦いを続けてAクラス争いを展開。終盤の失速でCS進出は逃したが、借金5の4位と初監督としては及第点と言える成績を残した。何よりの収穫だったのが、球団生え抜き選手たちの成長で、その証として今回の若手中心の侍ジャパンに楽天から5人の選手(早川隆久、鈴木翔天、藤平尚真、村林一輝、辰己涼介)が選ばれている。

 この楽天勢5人の選出に、今江氏は「めちゃくちゃ嬉しかった」と笑みをこぼす。そして「特にピッチャーの藤平と鈴木翔天ですね。藤平は先発から中継ぎに転向して、鈴木翔天は終盤にセットアッパーとして、ともに成功体験というものを味わって、結果を出してくれた」とうなずいた。

今江氏の現役時代とイメージが重なる打者

 さらに今江氏は、今回の侍ジャパンの投打のキーマンにも楽天の鈴木と辰己の名前を挙げた。

 その2人について「(鈴木は)めちゃくちゃ心強かった。とにかく力で押し切れるようになった。右左関係なく1イニングを任せられる投手だった」、「(辰己は)3番を打って、初回に1、2番がアウトになった時に出塁率が高かった。これがすごくチームとして助かった。簡単に相手に流れを渡さなかった」、「今年は丁寧に打席を送った。長打を狙いたいところでもミートを心がけて、長くボールを見ることができていた。それが最多安打のタイトルに繋がった」などと評価した。

 続いて糸井氏がキーマンとして森下翔太(阪神)の名前を挙げ、「プレッシャーのかかっているところで結果を残す男」、「ランナーを還すことに関してすごい能力を持っている」と評するとともに、「(現役時代の)今江さんとイメージがダブる」とコメント。この指摘に、今江氏も納得の表情で「交流戦で見た時に、彼は球種関係なく初球からどんどん振っていける。いいバッターやなと思っていました」と語り、「(球種を)狙っていない。反応で打っている」として短期決戦や国際舞台への適性に太鼓判を押した。

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著者プロフィール

1979年1月1日生まれ。大阪府出身。学生時代からサッカー&近鉄ファン一筋。大学卒業後、スポーツ紙記者として、野球、サッカーを中心に、ラグビー、マラソンなど様々な競技を取材。野球専門誌『Baseball Times』の編集兼ライターを経て、現在はフリーランスとして、プロ野球、高校野球、サッカーなど幅広く執筆している。

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