「成熟」と「補強」で強さを取り戻したガンバ大阪 「青黒復活」の原動力は守備にあり
「行く」と「引く」の使い分けと意識の統一
【画像提供:データスタジアム】
失点が減った要因の1つとして、ローブロックで守る回数を増やしたことがつながっているだろう。ローブロックを組む回数が昨季は1試合平均8.1回でリーグ16位だったのに対し、今季は1試合平均12.1回でリーグ5位に上がっている。低い位置で守備網を作ることで、危険な位置でのディフェンスに安定感をもたらした。ここで誤解したくないのは、「単純に引いて守ったから失点が減った」わけではないということだ。ローブロックで守る回数は増えた一方、その際の最終ラインの高さは昨季が平均22.6ⅿ(自陣ゴールラインからの距離)でリーグで最も低かったが、今季は5位となる平均25.0ⅿまで上昇。自陣でコンパクトな守備陣形を作り、危険なスペースを全員で埋める組織的な守備が完成されている。
また、攻撃から守備への切り替え時にも特徴が出ており、アタッキングサードでのボールロストから5秒未満での同エリアでのボール奪取率はリーグトップとなる9.9%の数字を残している。ボールを失った後に奪いに行くときはチーム全体で圧力を掛け、奪えなかった場合はしっかり守備ブロックを形成する、この使い分けと意識の統一が数字に表れているのではないだろうか。