長い宴が続くヤンキー・スタジアムの夜 大谷翔平が振り返る「世界一への分岐点」【WS第5戦】
10月30日(現地時間)に行われたWS(ワールドシリーズ)第5戦。4年ぶり8度目の世界一を決め、シャンパンファイトを楽しむドジャースの山本由伸ら 【Photo by Sarah Stier/Getty Images】
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試合翌日(10月31日)の午前2時過ぎまで宴が続く、ヤンキー・スタジアム 【筆者撮影】
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クラブハウスに用意されたシャンパン 【筆者撮影】
そうしてドジャースが、4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝いた夜は、更けていった。
ヤンキースの圧勝ペースを執念で覆す
初回、不振のアーロン・ジャッジから飛び出した、ヤンキースファン待望のWS初アーチ。WS第5戦は3打数2安打2打点、1本塁打だった 【Photo by Elsa/Getty Images】
三回を終えて0対5。不振を極めたアーロン・ジャッジが先制2ランを放ち、三回にはジアンカルロ・スタントンもホームランを放って追加点。展開的にはもう、ヤンキースの圧勝ペースだった。
ところが、ドジャースのリリーフ陣がなんとか踏みとどまり、五回、ヤンキースのミスに乗じて5点を奪うと、流れが大きくドジャースに傾いている。
この展開を大谷は「5点取った回が、大きかった」と振り返った。「相手のエラーもあったと思うんですけど、全員がボールに対して必死に食らいついた結果、ああいう形でチャンスをものにできたんじゃないかなと思う。素晴らしいオフェンスの繋がりだった」。
決してあきらめなかった。それは、六回に再びリードを許してからも揺るがなかった。ドジャースは八回、2本の犠牲フライで逆転。その裏、ブレーク・トライネンが1死一、二塁のピンチを招きながら、執念でスタントン、アンソニー・リゾを抑えると、ドジャースは九回、第7戦で先発予定だったウォーカー・ビューラーを投入して逃げ切った。
「一つ一つのアウト、1球1球が、これほど意味を持つとは」と、四回から登板し1イニングを無失点に抑えた、マイケル・コペック。
「勝った瞬間、これだけ身震いしたことはなかった」
コペックは葉巻を加えながら、プレッシャーから解放された安堵を表情に滲ませた。