長い宴が続くヤンキー・スタジアムの夜 大谷翔平が振り返る「世界一への分岐点」【WS第5戦】
今季4度目のシャンパンファイト
MVPに輝いたフレディ・フリーマン。WSでは打率.300、4本塁打、OPS1.364と、勝負強さが際立っていた 【Photo by Elsa/Getty Images】
しかし、勝ってしまえば、当然ながら喜びが優った。シャンパンファイトでは大騒ぎ。左肩を気にする素振りもなく、シャンパン、ビールをチームメート、スタッフにかけまくり、さらに何度も頭からかけられた。
「WBC(ワールドベースボールクラシック)のときもやりましたけど、日本の場合はもう少し控えめな感じがあるので、こっちの方が豪快」
これまでは次のシリーズのことを考え、早めに切り上げていたが、今回は会見に呼ばれる直前まで、シャンパンファイトの輪の中で歓喜の声をあげた。
その会見の冒頭で、しみじみと振り返った。
「結果的に一番長いシーズンを過ごすことができたことを、誇りに思う」
心からの声だった。
「1年目でこういうときに立ち会えて、すごく光栄」
弱小チームにしか勝てないと揶揄
試合後、記念撮影を行うドジャースのチームメイト 【Photo by Dustin Satloff/MLB Photos via Getty Images】
しかし、ここぞで勝った。8月下旬からのダイヤモンドバックス4連戦は3勝1敗。9月中旬のブレーブス4連戦では、最初の2試合を落としたが、その後連勝。9月終わり、パドレスとの3連戦では初戦を落としたが、2戦目、3戦目に勝って地区優勝。苦しい展開をものにした今日の試合は、今季の戦いを象徴するようでもあったが、シーズンの分岐点はどこにあったのだろう。今日の五回のように、流れが変わるタイミングがあったのか。
大谷に聞くと「ここというのは、もちろんないと思いますけど」と言いつつ、こう言葉を継いだ。
「全体的にけが人が出たシーズンだったと思いますし、入ってきた選手、代わりに出た選手がそれをカバーするという試合が多かったので、逆転が多いスタイルというか、みんなどれだけ取られてもあきらめずにブルペンもつないでいく、そういう気持ちがこういう勝ちにつながっているんじゃないかなと思う」
自身も最後は左肩を亜脱臼し、出場が危ぶまれた。それでも打席に立ち続けた。
「このポストシーズンでけがをした後、何より必要だと言ってもらえた、プレーしてほしいと言ってもらえたことがすごく光栄」と大谷。
「そう言ってもらえたことに感謝していますし、そういう気持ちが自分の中で1年間頑張ってこられた要因なのかな」
長い戦いが終わった。大谷も「長かった」と一言。しかし、最高の結末で1年が幕を閉じた。
数日後に改めて、ポストシーズンの戦いを中心に今季を振り返ってみたい。
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