U-16日本代表は「FWが点を決める」 2試合16得点、うち14点が“FW”の理由

川端暁彦

カタールという場所で

U-16日本代表の選手とスタッフたち 【撮影:川端暁彦】

 モンゴルとの第2戦のハーフタイムでも廣山監督は「ゴール」に関して強いメッセージを発した。

 10分に先制点を奪ったものの、その後の選手たちの姿勢を厳しく指摘。裏カードでU-16カタール代表の選手たちがゴールを決めたあと、すぐにボールを持ってセンターサークルへ走って試合を再開させて、さらなるゴールを目指していたという点を指摘し、「1点取ったら、もう1点じゃないのか」と、妙に落ち着いてしまって「モンゴルにとって脅威じゃない、嫌だと思われない」プレーに終始していた点を言い含めた。

 不出来にもかかわらず、ハーフタイムに交代がなかったのは「メンバー代えるかは迷ったんですけど、このメンバーで変化してほしいと思った」(廣山監督)と、育成を考えて、あえての我慢。第1戦から先発10人を入れ替えて臨んだ試合で、チャンスを得た形になっていた選手たちの奮起を引き出し、後半の大量ゴールにつなげてみせた。

 守備の部分でも「(2失点した)ネパール戦ではたくさん薬を飲んだ」(廣山監督)今予選。27日に行われる地元カタールとの試合を、指揮官は準備段階を含めての「ここまでの総決算」と位置付ける。

「特長がハッキリしている」(廣山監督)というカタールの攻撃陣をどう止めるかは当然ながら大きなテーマ。そういう難敵にも1点も与えない覚悟を持って臨むわけだが、裏返したテーマもある。

 それは「もし点を取られたら、それ以上に点を取るという姿勢も大事」ということ。点取り合戦を望むわけではないが、失点したら終わりのチームではなく、「それ以上に点を取る」チームになっていくことは、世界大会を目指す過程で、常に追求していくべき大きなテーマである。

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著者プロフィール

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』をはじめ、『スポーツナビ』『サッカーキング』『フットボリスタ』『サッカークリニック』『GOAL』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。近著に『2050年W杯 日本代表優勝プラン』(ソル・メディア)がある

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