セパ12球団・補強診断

セパ補強診断ー西武、オリックス、楽天編 弱点強化で上位進出を目指す!注目の新戦力は?

データスタジアム株式会社

西武新加入のウィンゲンターはメジャー通算97試合のクローザー候補 【Photo by Matt Dirksen/Chicago Cubs/Getty Images】

 いよいよキャンプインを迎え、新たなシーズンがスタートするプロ野球。昨秋のドラフトや外国人選手などを中心に進めていた各チームの新戦力補強も一段落したといっていいだろう。このコラムではここまでの戦力補強を球団ごとに振り返り、それぞれの内容について評価していきたい。

 なお評価については、A~Dの4段階で行った。国内移籍は選手の総合的な貢献度を測る指標であるWARをもとに、ドラフトで入団したルーキーや新外国人選手はチーム状況に対して適切な補強だったかを鑑みて、総合評価としている。

※内容は2025年1月22日時点の情報をもとに執筆

西武 評価B

【データスタジアム株式会社】

 昨季、球団史上ワーストの91敗を喫して最下位に沈んだ西武。投打ともに戦力アップが求められる中で、今オフはチームの穴をカバーする的確な補強を行ったと評価できる。まず投手に目を向けると、昨季は防御率がリーグ5位だった救援陣にラミレス、ウィンゲンターという2人の新助っ人を加えた。特に注目したいのがウィンゲンターで、メジャーでは通算97試合、95回1/3を投げてイニング数を大きく上回る127奪三振をマーク。昨季のストレート平均球速は156キロを記録し、スライダーのスイング奪空振り率は48.8%を記録するなど強力な武器を持っている。今オフに自由契約となった昨季の守護神・アブレイユに代わって救援陣をけん引する活躍を期待したい。また、今季は平良海馬がリリーフに専念することも決まっており、ブルペンの層を厚くしようという球団の意図が見てとれる。一方で比較的陣容が整っている先発陣については、現時点で新戦力による上積みはない。平良のリリーフ専念で空いたローテーションの枠を、渡邉勇太朗や菅井信也といった若手投手で争うことになりそうだ。

 2年連続でチームOPSがリーグワーストの野手陣。昨季はアギラーとコルデロの両助っ人が期待に応えられなかったこともあり得点力不足に苦しんだ。この状況を打破するべく、今オフは新たに2人の助っ人野手を獲得。オリックスから移籍したセデーニョは、昨季98試合の出場で15本塁打を記録するなどNPBでの実績があり、また年齢も26歳と若いことから、確実な戦力アップが見込めそうだ。パンチ力が売りのネビンは、昨季アスレチックスで87試合に出場して7本塁打を記録。セデーニョとともに中軸候補として期待されている。また、ドラフト会議では2位指名で大阪商業大の渡部聖弥を獲得した。走攻守3拍子そろった即戦力外野手で、1位指名の候補にも挙がっていた逸材だ。現在は外野のレギュラーが不在であり、ルーキーにかかる期待も大きいといえるだろう。さらに現役ドラフトでロッテから加わった平沢大河や、ソフトバンクを戦力外となり育成契約で加入した仲田慶介も楽しみな存在。西口文也新監督はベテランの外崎修汰を二塁から三塁へコンバートする構想を打ち出しており、内野の定位置争いにも注目したいところだ。

1/2ページ

著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント