3シーズンぶり日本復帰の宮浦健人に聞く SVリーグへ「誰からも“すごい”と言われる地位を築きたい」

坂口功将

3シーズンぶりにジェイテクトSTINGS愛知に復帰した宮浦健人 【坂口功将】

 バレーボール男子日本代表でも存在感を放ち、パリ五輪にも出場した宮浦健人。10月から開幕する2024-25 大同生命SVリーグでは、3シーズンぶりにジェイテクトSTINGS愛知のユニフォームを着て戦う。直近2シーズンは海外リーグで過ごしていたとあって、日本のクラブでプレーするのは久しぶり。注目も集まる中、リーグに向けて意気込みを語ってもらった。
――8月上旬のパリ五輪を戦い終えて帰国してから、リフレッシュはできましたか?

 まずは(愛知県への)引越作業が大変でしたが(笑)、実家にも帰るなどして休暇を過ごしていました。ウエイトトレーニングはしていたのですが、あえてバレーボールはやらないようにしていたんです。
 そんな時間も自分にとっては、ほんとうに久しぶりで。ただ、休んでいる間に「バレーボールしたいな」という気持ちがまた芽生えてきて、練習を再開してからも「バレーボールが楽しいな」とあらためて思えるようになったのでよかったです。

どこでプレーをするかは最後まで悩む

――3季ぶりに過ごすジェイテクトSTINGS愛知の居心地はいかがでしょう?

 以前から知っている選手もいますし、日本代表や海外のトッププレーヤーがそろう中で過ごせることは自分にとって刺激をもらえています。実は今季のクラブシーズンをどこで過ごすかは、最後の最後まで悩みました。まずは出場機会を、またリーグのレベルであったり、自分自身がいかに成長できるか、といったポイントを天秤にかけてかなり考えた結果、日本に、そしてジェイテクトSTINGS愛知に帰ってくることを決断しました。

――取材も殺到し、またファンの歓声もひときわ大きいですね

 人気と言いますか、認知度が上がってきたのかなとは実感します。会場へ自分を見に来てくださる方々もいるので、とてもうれしいです。そうした方々の思いに対して失礼にならないように、試合ではまず自分のベストを出す、自分にできることをしっかりやろうと心がけています。

――直近2シーズンは海外リーグで過ごして、今季のジェイテクトSTINGS愛知でも外国籍監督(ポーランド出身のミハウ・ゴゴール)の元でプレーします

 ある程度は英語でやり取りしています。ゴゴール監督はバレーボールが大好きな方という印象です。映像をたくさん見ていて、それこそオリンピックもほぼ全試合。バレーボールの話題になれば、1を投げると10が返ってくる、という具合です。
 プレー面ではブロックの位置どりやディグのベースポジションなど相手への対応の変化を細かく指示をしてくれます。

パリ五輪のイタリア戦、もしコートに立っていたら…

今夏は自身初のパリ五輪に出場、日本代表でも存在感を示している 【写真は共同】

――パリ五輪について振り返ってもらえたらと思います。最後の試合となった準々決勝のイタリア戦。あと1点で勝利をもぎとれる、あのシチュエーションでもし宮浦選手がコートに立っていたら、トスを欲しがったと思いますか? それとも(キャプテンでエースの)石川祐希選手に託す思いでいましたか?

 いやぁ、どうでしょう。うん…(しばらく考える)…いや、ほんとうにわからないですね(笑)。結果論の部分はありますし、そのときの運なども関係してきますので、一概には言えません。トスを選択するのは(セッターの)関田誠大選手ですし、僕はもう助走に入ることに集中していたと思います。
 その中でも自分は、勝負どころ特に20点以降の場面は得意といいますか、ギアが上がる感覚を持っています。あの場面で自分が決められたか…、どうだろう、オリンピックだからこそまた違った感覚を抱いていたかもしれませんね。実際にあのシチュエーションに立ったわけではありませんが、コートに立つ以上は「楽しもう」と心がけていたと思います。

――他の大会とは異なりましたか?

 そうですね。今こうして時間を経て、取り立てて振り返ることはありませんが、一人の選手としてやはりまたあの舞台に立ちたいな、という思いがありますから。特別なものだと感じます。
 ただ今回は自分自身、試合に絡むことがなかなかできず、チームに貢献できなかったので、次のオリンピックではコートに立ちたい気持ちが強いです。まだまだ力不足なので、もっともっと一回りも二回りも成長したいと思っていますし、それができると信じています。

――そのためにも、SVリーグでクラブシーズンを戦うという思いでしょうか

 もちろん一人の選手としてもチームとしてもシーズンにおいては結果を求めていかなければなりません。と同時に、日本代表やオリンピックは自分にとってモチベーションの一つではあるので。そのためにもクラブシーズンで成長したいという思いを持っています。

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著者プロフィール

ライター。大学時代に“取材して伝える”ことの虜になり、母校の体育会ラグビー部で専属記者兼カメラマンを務めたほか、「月刊バレーボール」(日本文化出版)を経て、2024年から独立。読者の心が動く原稿を書けるように現場を駆け回る。競技問わずスポーツ界のユニフォームに深い造詣を持ち、所持数はゆうに100枚を超えるコレクターでもある。

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