カーリングシーズン開幕戦“みどチャレ”はコンサドーレと中部電力がまず1勝、あの選手が母として復帰
優勝したAbe(コンサドーレ)。左から清水徹郎、阿部晋也、大内遥斗、佐藤剣仁 【(C)HCT2024】
男女の部でそれぞれクオリファイ(プレーオフ進出)を果たした8チームで競い合った最終日の準決勝4試合、3位決定戦2試合、決勝2試合の計8試合はいずれもラストエンドまで攻防が続き、うち2試合はエキストラエンド(延長戦)までもつれこむ熱戦だった。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック出場に関わる重要なシーズンだけあって、各チームの仕上がりの速さが目立った印象だ。
新しい矢を得たコンサドーレと、圧倒的な攻撃力を誇るロコ・ドラーゴ
序盤はセットアップやスイープ面でどちらかといえばMaedaが優位にゲームを進めたが、Abeはキーショットを決めてよく耐え、好機を粘り強く待った。
「準決勝のHirata(KiT CURLING CLUB)戦も含め、よく我慢できたと思う。今季は(佐藤)剣仁が入って、まずチームにフィットさせていく作業とチームの強化がリンクできればいいと思っていたが、初の実戦である程度それができたのは自信になった」とはフォースの清水徹郎。大会MVPに当たるスポーツナビ賞を獲得した清水の高い決定力で終盤の複数点を勝利に結びつけ、みどチャレ初優勝を飾った。
清水が触れた佐藤はこれまでのキャリアでサードやフォースを務めてきた選手で、スイープの経験はほとんどない。「首と僧帽筋が疲れます」とテーピングを貼り苦笑いを浮かべながらも一定のパフォーマンスを披露するなど、日本王者のさらなる補強を見せてくれた。セカンドの大内遥斗、今夏の北海道ツアーは学業のため残念ながら欠場となった敦賀爽太と若手3選手でフロントエンドのポジション争いをすることになり、それがチームの上積みとして昇華できれば、日本選手権の連覇も見えてくるだろう。
紙一重の差で敗れこそしたがMaedaも順調なシーズンインと言っていい。ラウンドロビンの総得点、複数点を記録したエンドはそれぞれ参加10チームで最多と相変わらずの攻撃力を示し、スキップの前田拓海はチームとして大会中に尻上がりに調子を上げていけたことに手応えを得た。
「決勝に向けて調子を上げることができたのは収穫。技術面では仕上がってきている。戦術面での細かい確認をしたい」(前田拓)