パリ五輪代表も集結のTリーグ 2023-2024シーズンのクライマックスを占う
木下マイスター東京のポイントゲッターとなっているのが大島(左)と篠塚(右)だ 【写真は共同/写真:松尾/アフロスポーツ】
男子は木下と琉球の2強がV争いをリード。3位争いは終盤まで白熱
世界選手権による中断期間の前に、木下マイスター東京と琉球アスティーダのPO進出が確定。男子はTリーグ創設からの過去5シーズン、木下マイスター東京が3度、琉球アスティーダが2度年間王者に輝いており、この2チームでタイトルを分け合ってきた。両チームは昨シーズンのPOファイナルでも対戦し、ビクトリーマッチ(マッチカウント2-2となった場合に行われる1ゲーム先取の試合)までもつれた末に琉球アスティーダが王座奪還を果たしている。
現在首位を走る木下マイスター東京は琉球アスティーダとの開幕戦にこそ敗れたが、そこから5連勝と好調なスタート。以降も3連勝、6連勝を記録して順調に勝ち点を積み上げてきた。木下マイスター東京は今回の世界選手権日本代表の戸上隼輔、篠塚大登、松島輝空の3人に、2021年全日本選手権優勝の及川瑞基、元日本代表の大島祐哉、さらに世界ランク8位のリン ユンジュ(チャイニーズタイペイ)と豪華な顔ぶれが揃うスター軍団。男子日本代表監督としてリオ、東京と五輪2大会で日本をメダル獲得に導いた倉嶋洋介監督がチームを率いる。
多くの実力者を擁し、どこからでも得点を狙える木下マイスター東京だが、ダブルスでの勝率の高さも強さの要因。1番にダブルスを行うTリーグの試合方式ではダブルスの勝敗がチームの勝敗に大きく影響を与える。その中で木下マイスター東京はここまでRS19試合でダブルス13勝6敗と大きく勝ち越し。大島/篠塚が8勝1敗でトップの成績を残しているが、及川/松島、戸上/篠塚、戸上/松島など、相手によってさまざまなペアリングで得点が期待でき、相手によってオーダーを組み替えられるのも強みだ。
リーグトップタイの14勝と今シーズンも強さを見せる張本 【写真は共同】
木下マイスター東京に比べるとダブルスの勝率は低いが、張本がリーグトップタイのシングルス14勝、吉村とジョ シンコウが同4位タイの10勝とシングルスで圧倒的な得点力を誇っている。また、シュウ ユウもシングルスは5勝だが、ダブルスでの起用も多く、フル回転でチームを支える存。また、今シーズンはビクトリーマッチでの勝利が8試合と勝負強さも光る。
木下マイスター東京と琉球アスティーダのRSでの対戦は3勝1敗で琉球アスティーダが勝ち越し。しかし、4試合すべてがビクトリーマッチに突入して3-2で決着と実力は互角だ。POファイナルでの対戦となれば、白熱した好ゲームとなることは間違いない。
そして、男子は静岡ジェード、岡山リベッツ、金沢ポートの3チームによる残り1枠のPO進出争い熾烈。2月12日の試合を終えた時点では静岡ジェードが3位、岡山リベッツが4位、金沢ポートが5位。静岡ジェードはPO進出圏内の3位にいるが、RS全日程を消化しており、このまま3位を維持してPO進出を果たせるかどうかは岡山リベッツと金沢ポートの結果に委ねられている。一方、勝ち点30の静岡ジェードを勝ち点29で追う岡山リベッツは残り2試合を残しており、自力で逆転してのPO進出のチャンスも大きい。
金沢ポートは勝ち点22と上位2チームと差があるが、残り3試合と最も試合数が多い。3位浮上には勝利することはもちろん、岡山リベッツの結果も関係してくるが、大逆転でのPO進出に望みをつないでいる。これまでもRS終盤までPO進出をかけて熱戦が展開されたシーズンは多いが、今季も最後まで目の離せない展開となりそうだ。