パリ五輪代表も集結のTリーグ 2023-2024シーズンのクライマックスを占う

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戦力充実の木下と日本生命は中国選手も強力。日本ペイントは日本選手のみで初V狙う

木下アビエル神奈川の勝ち頭となっている平野 【写真は共同】

 女子は2月12日までの結果をもって、木下アビエル神奈川、日本生命レッドエルフ、日本ペイントマレッツのPO進出が確定。Tリーグ開幕からの4シーズンは日本生命レッドエルフが連覇を達成したが、昨シーズンは木下アビエル神奈川がPOファイナルで日本生命レッドエルフを破って初優勝。昨季、日本ペイントマレッツはRS終盤で4位に転落し、PO進出を逃したが今季は2シーズンぶりにPO進出を決めた。
 2連覇を狙う木下アビエル神奈川は平野美宇、張本美和、木原美悠、長﨑美柚という日本代表に、今シーズンは現役中国代表のホー ジュオジアとチャン ルイが加わりTリーグ随一の戦力を誇る。今シーズンは開幕7連勝を飾るなど、序盤から他チームを圧倒する戦いぶりでRS残り2試合を残し、15勝3敗の勝ち点52で首位に立っている。
 国際大会などで誰かが欠場してもきっちりと他の選手がその穴を埋める活躍を見せて、今シーズンはここまで連敗なし。シングルスでは平野が11勝2敗、張本が10勝6敗、長﨑が7勝2敗、木原が6勝1敗と勝利を重ね、ダブルスでも木原と長﨑を軸に高い勝率を残しており、盤石の戦いぶりを見せている。

Tリーグ開幕からエースとして日本生命レッドエルフを牽引する早田 【写真は共同】

 日本生命レッドエルフはRS18試合を終えて14勝4敗で勝ち点45の2位。早田ひなと伊藤美誠のツインエースが欠場する試合も多かったが、その中でも森さくらと笹尾明日香、麻生麗名が奮闘を見せ、中国代表のハン シキ、ソン メイヨウらがきっちりと勝利して勝ち点を積み重ねてきた。国際大会のスケジュールも踏まえながら、RS全体で勝ち点を計算していくプランニングと選手起用は名将・村上恭和総監督の真骨頂だ。
 木下アビエル神奈川と日本生命レッドエルフのRSでの対戦成績は木下アビエル神奈川の3勝1敗。しかし、日本生命レッドエルフは木下アビエル神奈川戦では伊藤が1試合の出場で早田の出場はゼロとベストメンバーで臨んだ試合はなし。POでの対戦となれば、日本生命レッドエルフも早田、伊藤のそろい踏みとなる可能性が高く、RSでの対戦成績は参考にしにくい。ともにベストメンバーでのぶつかり合いとなれば、PO史上最高レベルの戦いとなりそうだ。
 さらに両チームに共通しているのは強力な中国選手がいること。木下アビエル神奈川のホー ジュオジアとチャン ルイ、日本生命レッドエルフのハン シキ、ソン メイヨウは早田と伊藤、平野と張本、両チームのエースを倒すだけの実力があり、彼女たちのPOでの活躍が勝敗を大きく左右する可能性も高い。

 木下アビエル神奈川と日本生命レッドエルフに中国代表クラスの選手が加わる中、日本ペイントマレッツは日本選手のみでシーズンに挑み、ここまでRS18試合で12勝6敗、勝ち点41という成績。カット型の橋本帆乃香がリーグ2位タイのシングルス11勝、横井咲桜が同5位の9勝をあげ、ダブルスも大藤沙月を軸にしたペアリングで11勝7敗と勝ち越しており、粒揃いの戦力で安定した戦いぶりを見せている。
 RSでの木下アビエル神奈川との対戦は1勝2敗(3月3日に4度目の対戦)、日本生命レッドエルフとの対戦は1勝3敗。しかし、一発勝負のPOでRSの借りを返し、念願の初優勝を狙う。

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