歴代最強選手層の日本女子が狙うは中国越えのみ 平均年齢20.2歳、若き日本男子はグループリーグから強敵に挑む

月刊『卓球王国』

団体、個人通じて初の世界選手権出場となる張本美和 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 2月16日より韓国・釜山を舞台に10日間の日程で開催される世界選手権団体戦。夏にパリ五輪を控えた今大会は、さながら「五輪前哨戦」。2年前の前回大会で日本女子は4大会連続となる準優勝、日本男子は2大会ぶりのメダル獲得となる3位に入賞。今大会はそれを上回る成績を目指す。

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歴代最強の選手層の日本女子。中心はパリ五輪代表の3人

 今大会の日本女子は代表5人全員が世界ランキング30位以内という豪華メンバー。中国を除く他チームであれば、誰もがエースを張れるだけの実力を有する、歴代最強の選手層と言える顔ぶれとなっている。その中で中心となるのは、パリ五輪代表候補予定選手に内定している早田ひな、平野美宇、張本美和の3人。グループリーグや決勝トーナメント序盤では伊藤美誠、木原美悠とオーダーを入れ替えながらの起用が予想されるが、上位ラウンドでは五輪を見据えてこの3人がオーダーに並ぶだろう。

 エースとして期待される早田は、前回大会ではコンディションが整わず決勝を欠場。2年前から心技体智、すべての面で成長しており、今大会ではその実力を思う存分見せてほしい。平野は前回大会で代表を逃しており、今大会が2大会ぶりの世界選手権団体戦出場。伊藤との過酷なパリ五輪代表争いを制したことで、メンタルも上向きなはず。昨年7月のWTTでは海外勢に圧倒的な強さを誇る孫穎莎に勝利するなど、その突破力は健在。さらに成長したプレーでチームに勢いを与える。

 そして15歳の張本は団体、個人通じて初の世界選手権出場。世界ランキングを16位まで上げており、実力はすでに世界でもトップクラス。中学生とは思えない落ち着いた試合運びも魅力だ。中学2年で世界選手権個人戦に初めて出場し、ベスト8まで勝ち上がった兄・智和のようなインパクトのある活躍に期待したい。

盤石のメンバーで6連覇に挑む中国

現・世界女王の孫穎莎が中国を牽引する 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 チームランキング2位の日本女子はグループリーグを1位で通過すれば、最大のライバルであり、今大会も優勝候補筆頭の第1シード・中国とは決勝まで対戦しない(中国が2位以下でグループリーグを通過した場合は除く)。決勝までに対戦が予想されるチームの中でライバルとなりそうなのは、アジア勢では韓国やチャイニーズタイペイ、ヨーロッパ勢ではドイツやルーマニア。韓国には申裕斌、チャイニーズタイペイには鄭怡静、ドイツにはミッテルハムとシャン・シャオナ、ルーマニアにはスッチというエースがいるが、2・3番手は力が落ちる印象で、日本女子としては前半で相手エースを叩いて一気に押し切りたい。

 そして、決勝での対戦が予想される中国は盤石のメンバーで6連覇に挑む。前回大会、中国は全8試合で1マッチも落とさない完全優勝を達成。さらに全24マッチで落としたゲームもわずか2と、他を寄せ付けない強さを見せたが、今大会も同じメンバーでエントリー。東京五輪シングルス金メダリストの陳夢、2023年世界選手権個人戦優勝の孫穎莎、2021年世界選手権個人戦優勝の王曼昱と3人の世界女王が揃い、4・5番手の王芸迪と陳幸同も彼女たちに劣らない実力を持つ。各選手とも経験も豊富で、スキは見つからない。日本女子は過去4大会連続で中国と決勝で対戦し、すべてで敗戦と厚く高い壁に頂点を阻まれ続けている。このメンバーから3点を奪うのは容易いことではないが、今大会こそ悲願の中国越えなるか。

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