井上尚弥vs.ネリ、両者戦力をチャート比較 実力差歴然も…万が一の事態が起こる可能性は?

宮崎正博
アプリ限定

4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥は、34年ぶりとなる東京ドームでのボクシングの興行でネリと対戦する 【スポーツナビ】

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)対元2階級世界王者で現WBC同級1位のルイス・ネリ(メキシコ)の一戦が5月6日、東京ドームで開催される。伝説のヘビー級ボクサー、マイク・タイソン氏がプロ初黒星を喫したあの戦い以来、実に34年ぶりに東京ドームでのボクシングの興行となる。元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏を引退に追いやった悪童を相手に、モンスターはどんな戦いを見せるのか。また、“比類なきヒール”ことネリにはまったく勝機はないのだろうか。日本ボクシング界における最高の晴れ舞台となる一戦を占う。

※リンク先は外部サイトの場合があります

ボクシングは実力しか結果に反映しない

 プロボクシングの結末に、偶然はほとんど存在しない。技術の確度、精神面の整備が不十分な新人なら話は別だが、トップ選手が対戦者の実力を掌握して戦ったなら、勝負の行方はほぼ決まって実力上位の者が勝利を手にする。階級の先頭に位置する選手の戦績が、無敗あるいは黒星があっても1つか2つなのがほとんどという事実が、確実性の高いスポーツであることをなお物語る。

 そんなボクシングにおいても戦いを展望、予想するときに、どちらかが絶対有利と断言するのはかなりの勇気がいる。「もし」「たら」「なら」がいくつも連なり、思いがけない結末があったとき、ボクシングは「とんでもない」光景をリング上に描く。ショッキングなKO劇だったり、残酷なレフェリーストップだったり……。まさかの事態が起こる可能性は1%未満にしろ、いざ、その1%未満が現実になったときのため、予想を立てるサイドとしては大いに気が引けるのだ。
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ

1/3ページ

著者プロフィール

山口県出身。少年期から熱烈なボクシングファンとなる。日本エディタースクールに学んだ後、1984年にベースボール・マガジン社入社、待望のボクシング・マガジン編集部に配属される。1996年にフリーに転じ、ボクシングはもとより、バドミントン、ボウリング、アイスホッケー、柔道などで人物中心の連載を持ったほか、野球、サッカー、格闘技、夏冬のオリンピック競技とさまざまスポーツ・ジャンルで取材、執筆。2005年、嘱託としてボクシング・マガジンに復帰。07年、編集長を経て再びフリーになる

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント