選手権スターが選ぶ同世代ベストイレブン【渡邊凌磨編】 「徳真は身近なスーパースター。レオは負けず嫌い」

馬場康平
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のちのプロ選手を何人も擁した前橋育英高の中心選手として、14年度大会で準優勝した渡邊。21年1月から在籍するFC東京では不可欠な戦力だ 【馬場康平】

 冬の風物詩である全国高校サッカー選手権のスター選手が選ぶ同世代のベストイレブン。今回登場するのは、前橋育英高3年時の14年度大会に出場し、準優勝の原動力となった渡邊凌磨だ。1996年生まれの「万能の攻撃的MF」が選ぶベストイレブンとは?

周りとスピード感が違って見えた

右サイドバックには2学年上の室屋を選出。青森山田高では10年度大会で1年生ながらメンバー入りし、11年度、12年度大会は中心選手として活躍した 【写真は共同】

GK
吉田舜
(前橋育英高→法政大→浦和レッズなど/96年11月28日)


 中学時代は熊谷のチーム(クラブレジェンド熊谷)に所属していたので、舜がいたクマガヤSCとはよく対戦もしていた。舜と言えば、何といっても代名詞だったパントキック! 高校の時はGKがボールを取ったら、オレたちフィールドの選手は前にどんどん出ていくことを意識していた。そこに正確にフィードを通してくれる。超攻撃的なGKという面では、オレたちのサッカーにはピッタリの選手だったと思う。だからGKを選ぶとしたら、舜がパッと思い浮かんだし、舜以外考えられなかった。

 セービングだったり、GKの専門的なところは分からない部分も正直多いけど、3年生の時のインターハイの群馬大会決勝は延長戦までもつれて、本当に舜に助けられた記憶があります。


DF
室屋成
(青森山田高→明治大→FC東京など/94年4月5日)


 どの大会だったか少し記憶は曖昧だけど、1年生の時におそらく石川県ユースサッカーフェスティバルで青森山田と対戦した。そこで見たプレーに衝撃を受けました。オレはトップチームに帯同していたけど、その試合には出ていなかった。でも、スゲぇってなったのを今でも覚えている。その後、明治大学を経てプロにもなって、日本代表へと駆け上がっていった。

 何と言っても、あの対人能力の高さには驚きました。外から見ていて、周りとスピード感が違って見えた。東京では一緒にプレーすることはできなかったし、実際に対戦したこともない。でも、あの試合の衝撃は忘れられない。


DF
渡辺剛
(山梨学院大付高→中央大→FC東京など/97年2月5日)


 剛とは、3年の選手権の3回戦で対戦した。その時の印象が一番強い。山梨学院のセンターバックは2人とも有名だったから、剛のことはよく知っていた。

 高校選抜の時に部屋が一緒になって、仲良くなっていろんな話をするようになった。ドイツにいた時も連絡を取り合っていたし、日本に帰ってきたら食事にも出掛ける仲だった。オレが東京に移籍する時も剛には連絡していた。

 今、こうしてA代表に選出されるようになったけど、ずっとなんで選ばれないんだろうって思っていたぐらい。ビルドアップとか苦手な部分もあるけど、対人や、身体能力、カバーリング、ヘディングといったDFに必要な能力は昔から備わっていた。そこに、試合を読む力がついてどこにボールをつければいいということが分かってきたら、おそらく鬼に金棒。本当にいいDFだとずっと思っていた。
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著者プロフィール

1981年10月18日、香川県出身。地域新聞の編集部勤務を経て、2006年からフリーに。現在、『東京中日スポーツ』等でFC東京担当記者として取材活動を行う。2019年に『素直 石川直宏』を上梓した。

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