A東京のエースキラー・小酒部泰暉 「98年トリオ」としてチームをどう見る?
小酒部がA東京に加入して早くも5シーズン目となる 【©ALVARK TOKYO】
2023-24シーズンのアルバルクは吉井裕鷹、テーブス海、小酒部の「98年トリオ」の活躍が、5シーズンぶりのチャンピオンシップ(CS)制覇に向けた条件になるだろう。今回のインタビューは小酒部に昨季と今季、チームメイト、そしてワールドカップについてじっくり語ってもらっている。
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昨季の手応えと、新しい取り組み
新しいヘッドコーチに変わって、チームも個人も最初は「自分たちのやるべきこと」を見つけることに苦しんでいました。でも試合を重ねるにつれ、チームメイトとコミュニケーションを取り合って、自分たちのやりたいことができるようになっていきました。CSまでの道のりもそんなに苦ではなかったし、CSは(クォーターファイナルの)島根スサノオマジック戦が一番印象に残っています。その前のシーズンはゲーム3で負けてしまっていた相手に、同じゲーム3で勝ち切れました。最後(セミファイナルで)千葉ジェッツにやられてしまいましたけど、島根戦を勝ち抜いたことは大きい収穫です。
――主力選手の怪我など不運もありましたが、手応えはあるシーズンだったのですね。
そうですね。自分はまだ優勝を勝ち取ってなくて、1シーズン目は(東地区首位だったにもかかわらず)CSが新型コロナウイルスの影響で無くなりました。2シーズン目は(クォーターファイナルで)島根に負けて、2022-23シーズンは島根に勝って、徐々に上がっている感じです。次こそは優勝をつかみ取りたいです。
――今シーズンの上積み、「ここが新しい」という部分はありますか。
システムはそんなには変わってないですけど、個々の能力は本当に上がっていると思います。去年の課題である外のスポットアップのシュート率は、チームが必要としている要素です。そこは練習を重ねていて、まだシーズンは始まってないですけど、いいものになるかなと実感しています。
――ご自身もシューターなど、オフェンスの役割をもっとやっていく意欲もお持ちですか?
そうですね。もちろん得点に絡む部分も頑張っていきたいです。ディフェンスも引き続き頑張っていかなければいけない部分です。
若手が「やらねば」という思いも
小酒部は吉井裕鷹、テーブス海と同学年 【©ALVARK TOKYO】
オンコートもオフコートも、ファミリー感が強いです。バスケの部分では熱くなったりもしますけど接しやすく、コミュニケーションを取りやすいコーチです。選手との距離も近いし、信頼関係を早く築きやすいですね。
――相手の分析が細かい、対策が緻密という感想を他の選手から聞いたことがあります。
ルカ(パヴィチェヴィッチ)コーチのときもそうですけど、決まりごとは多いし、相手に対するディフェンスで「癖」に関する指摘を多くします。細かいというか、相手の特徴をよくスカウティングしていると思います。
――今シーズンは田中大貴選手がサンロッカーズ渋谷に移籍した一方で、テーブス海選手や橋本竜馬選手、福澤晃平選手の3選手も加わり、バックコート陣は大きく入れ替わりました。新たな強み、変化についてはどう考えていますか?
(テーブス)海は身体も強いですし、やはり背丈があるので、そこでアドバンテージは多く取れると思います。あとB1は外国籍のポイントガードが多いですけど、海がしっかり守ってくれるはずです。今季のメンバーは特に外(からのシュート)も入るので、チームとして、一つステップアップしたかなと感じます。
――橋本選手はベテランですし、熱血漢のイメージもありますけど、アドバイスを受ける場面もあるのではないですか?
もちろん熱さもありますし、出てないときも自分に「こうしたら良い」「強い気持ちを持ってやれ」とアドバイスをしてくれて、励みになっています。
――アルバルクには同い年の選手が3人います。テーブス選手が新たに加わって、吉井裕鷹選手はワールドカップで大活躍してチームに戻ってきました。刺激になる部分はあると思いますが、ライバル的な意識はお感じですか?
ライバル関係はあまり……ないですかね。ポジションも被っていないですし。でも若手がチームを鼓舞しなればいけないというか、自分たちのやるべきことをやらねば……と思っています。吉井もワールドカップで上がってきていますし、そこは自分の活力になっている感じです。