B1の優勝争いを賑わせる「躍進」候補の3チーム 最注目はW杯のヒーロー、名将が加わったSR渋谷
日本代表でも活躍したホーキンソン(左から2人目)は渋谷に移籍した 【写真は共同】
B1の3地区24チームから、2022-23シーズンのチャンピオンシップ(CS)に勝ち上がったのは下記の8チーム。そのうち横浜ビー・コルセアーズと広島ドラゴンフライズはCS初出場だった。
●2022-23シーズンB1最終成績
・優勝
琉球ゴールデンキングス(西地区)
・準優勝
千葉ジェッツ(東地区)
・ベスト4
アルバルク東京(東地区)
横浜ビー・コルセアーズ(中地区)
・ベスト8
島根スサノオマジック(西地区)
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(西地区/ワイルドカード)
広島ドラゴンフライズ(西地区/ワイルドカード)
川崎ブレイブサンダース(中地区)
このオフは選手を大きく入れ替えたクラブが多く、間違いなく序列の変化は起こる。ベスト4、ベスト8の「圏外」だったクラブから、新たな王者が生まれる可能性もある。今回は開幕前の進化が著しい、新シーズンのB1で躍進を遂げそうな3チームについて触れたい。
ホーキンソン、ルカHCが渋谷に
ワールドカップ(W杯)をご覧になったファンには説明不要だろうが、ホーキンソンは3ポイントシュート、プレーメイク、速攻への参加と万能な能力を持つ頼もしいセンター(C)/パワーフォワード(PF)だ。W杯では世界レベルのビッグマンに攻守で堂々と渡り合っていた。28歳とまだ若く、帰化選手として外国籍選手枠と別枠になる強みもあり、今のBリーグでもっとも市場価値の高い選手だろう。彼の獲得はクラブの「本気」を示すものでもある。
渋谷の本気を示すもう一つのポイントはルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)の就任だ。旧ユーゴスラビア・モンテネグロ出身の彼は2017-18シーズンからアルバルク東京の指揮を執ると、早速2連覇を達成。2019-20シーズンはコロナ禍でCSが開催されなかったものの、このシーズンもA東京でB1最高勝率を記録している。基本を徹底し、ソリッドなスタイルを貫く指揮官で、個を伸ばすコーチでもある。
復活した田中大貴も脅威に
田中大貴は新天地で背番号「13」をチョイス 【写真は共同】
192センチのサイズを持ちつつ、ハンドラーとしての能力が高い彼は、ビッグマンのスクリーンを生かした「2対2」からの臨機応変な判断も見せる。田中が復活し、ホーキンソンやジェームズ・マカドゥといった強力インサイドとのピック&ロールがハマれば、『アンストッパブル』なオフェンスになるだろう。
ポイントガード(PG)ベンドラメ礼生や、ライアン・ケリーといったこれまでの主力も健在だ。ヨーロッパで実績のあるアメリカ出身のPGアンソニー・クレモンズも加わった。
今までのSR渋谷はボール運び、組み立てなど攻撃面でケリーへの依存度が高かった。しかし今季はスモールフォワード(SF)としてスコアリングに専念できるだろう。津屋一球、新加入のアキ・チェンバースといったシューターがどれだけの確率を残せるのかは一つ課題だが、とはいえ優勝候補に挙げるのは自然。昨季は川崎ブレイブサンダース、横浜BCのワンツーで無風だった中地区が、今季はホットなエリアになる。
ただ、他地区にも「上積み」を感じるチームはある。