過去10年の傾向から解き明かすプロ野球12球団の「ドラフト戦略」

過去10年の指名から探るパ6球団のドラフト戦略 オリックスの近年の成功をもたらした「大転換」

西尾典文
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パ・リーグ6球団は、それぞれドラフトに対してどんな方針、戦略を持っているのか。2013年以降の各球団のドラフト指名から解き明かす 【写真は共同】

 10月26日に行われる今年のプロ野球ドラフト会議。開催まで1カ月を切り、どの球団も最終候補の絞り込み作業を行う時期だが、球団によってドラフトの戦略や方針、スタンスは少なからず異なる。過去10年間の指名を振り返りながら、そんな球団ごとの“色”を探ってみたい。セ・リーグ編に続いて、今回はパ・リーグの6球団を見ていく。

オリックスのドラフト戦略

未完成ながらポテンシャルが高い高校生を積極的に獲りにいくようになったのは、18年あたりからだ。19年に静岡の駿河総合高から獲得した紅林もその1人だ 【写真は共同】

 パ・リーグ3連覇を達成したオリックスは、過去10年で戦略に最も大きな変化が見られる球団だろう。

 阪急時代から社会人選手中心の指名がお家芸であり、2013年からの5年間は1位、2位で獲得した10人のうち半数以上の6人が社会人投手だった。しかし18年以降の5年間を見ると2位以上で獲得した社会人選手はゼロ。19年には抽選で高校生の石川昂弥(中日)を外した後にJFE西日本の河野竜生(日本ハム)を指名しているため、完全に社会人をスルーしているわけではもちろんないが、この年の外れ外れ1位で左のエース格となった宮城大弥以外にも、太田椋(18年1位)、紅林弘太郎(19年2位)、山下舜平大(20年1位)、元謙太(20年2位)、内藤鵬(22年2位)などスケールの大きい高校生を積極的に指名し、紅林、山下はすでに主力となっている。
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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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