「戦いながら強く」で堂々2位の広島 熱狂の秋へ、新井監督に“勝負師の血”は流れているか
下馬評の低さを覆して2位を走っている広島。就任1年目の新井監督の手腕も高く評価される 【写真は共同】
※成績はすべて9月7日時点のもの
7月に10連勝、一時は首位浮上も
4年連続Bクラスとなる5位に終わった昨季から補強は、新人以外では新外国人のデビッドソンと現役ドラフトの戸根千明のみ。だが、既存の選手たちが新井新監督のもとで、若手、ベテラン問わずにハツラツとしたプレーを続けた。結果も出たことで自信がみなぎり始めると、7月12日から破竹の10連勝を飾って貯金を14にまで増やし、阪神に変わって首位浮上も果たした。
その後、阪神の勢いの前に屈する形となっているが、広島自体は8月も13勝10敗3分けと貯金を増やし、9月7日時点で68勝54敗4分けの貯金14。首位とは8ゲーム差が離れているが、3位とも5ゲーム差を付け、下馬評の低さを覆しての“2位独走”となっている。
躍進を支える先発投手陣
その筆頭が、大卒7年目の床田寛樹だ。昨季までも先発ローテの一角を務めていた左腕だが、今季は前半戦までに7勝を挙げ、8月17日の阪神戦では9回5安打完封劇で自身初の2ケタ10勝目をマークした。現時点で10勝5敗、防御率1.93で、勝利数、防御率ともにリーグ2位でタイトル獲得の可能性あり。CSを含めた今後の戦いを睨んだ際には、阪神戦(2試合2勝0敗、防御率0.56)、DeNA戦(7試合3勝1敗、防御率1.88)ともに相性が良いことも心強い。
この床田に加え、森下暢仁(8勝3敗、防御率2.27)、九里亜蓮(7勝6敗、防御率2.53)、大瀬良大地(6勝9敗、防御率3.55)が先発4本柱として機能している。ここに社会人出身のプロ2年目右腕・森翔平、高卒4年目左腕の玉村昇悟、高卒6年目右腕の遠藤淳志、大卒2年目左腕の黒原拓未ら、新井監督からチャンスを与えられている面々が、残りシーズンの中で結果を残して信頼を掴めるかどうか。若手の飛躍が期待される。