7月失速で3位転落のDeNAが目指すべきものは? バウアー離脱のピンチにチーム一丸&救世主出現に期待
※成績はすべて9月5日時点のもの
交流戦明けに3タテで首位浮上も
5月に入って投手陣が打ち込まれる試合が増えたことで6連敗、4連敗と黒星が連なった時期はあったが、交流戦で初優勝(11勝7敗で4球団が並ぶも得失点率差でトップ)。そしてリーグ戦再開最初のカード、6月23日からの本拠地での阪神との首位攻防戦で3タテを決め、首位浮上を果たした。
だが、この時の貯金12が現状、今季最多となっている。直後に4連敗してあっさりと首位の座を明け渡すと、7月に8勝13敗1分けと負け越し、8月は連勝と連敗を繰り返す浮き沈みの激しい戦いで13勝12敗1分け。気付けば、首位・阪神と10ゲーム以上の大差を付けられるだけでなく広島の後塵を拝し、4位の巨人と2ゲーム差でBクラス転落の危機にも瀕している。
絶好調の牧&宮﨑、そして24歳捕手
さらに今季は、宮﨑敏郎が元気いっぱいだ。開幕直後から快音連発で5月下旬の時期まで打率4割をキープ。プロ11年目の34歳にして全盛期到来を思わせるようなバッティングを披露。ここまで打率.340、19本塁打、66打点で、首位打者を獲得した2017年を遥かに上回る自己最高の成績を残している。
だが、ここからチームが再浮上するためには、彼ら以外の力も必要だ。イースタンで無双していた梶原昂希の負傷離脱は残念な限りだが、注目したい人材がプロ6年目の24歳、捕手の山本祐大だ。昨季までは2軍生活が主だったが、今季は開幕から1軍帯同を続け、ここまで53試合(スタメン37試合)に出場。7月までは打率.221だったが、8月に月間打率.350と打撃開眼の兆しを見せると、9月は4試合で打率.462、2本塁打と爆発している。今後の働きにも期待がかかる。
東&今永のタイトル獲得は?
同じくタイトル獲得の可能性があるのが今永昇太だ。9月1日に30歳を迎えたエースは今季も頼もしいピッチングを続け、18試合で7勝3敗、防御率2.72の好成績。8月の5試合を0勝2敗、防御率5.27で未勝利に終わったが、ここまでリーグ最多の142三振を奪っている。プロ8年目での「最多奪三振」が今永の個人初タイトルになるのか。9月のラストスパートに期待だ。
大きなアクシデントが、バウアーの離脱だ。5月の来日初登板からここまで19試合に先発して10勝4敗、防御率2.76の成績を残していた元サイ・ヤング賞右腕が、8月30日の阪神戦で負傷交代して「右腸腰筋遠位部損傷」で戦線離脱。全治は明らかにされていないが、今季絶望の可能性もあると言われている。チームにとって大きなマイナスになることは間違いない。
気になる上位陣との対戦成績
この状況を打開するためにも、やはり“救世主”の出現が必要になる。特に投手陣だ。バウアーの代役として9月5日の広島戦で今季初先発した坂本裕哉は4回5安打2失点と合格点は与えられず。次回登板で期待に応えることができるか。それとも、イースタンで5勝(4敗、防御率3.39)を挙げている深沢鳳介などの若手の抜擢はあるのか。チームが成長することができなければ、CS進出は難しくなる。
三浦大輔監督は昨オフに球団と複数年契約を結び、来季も指揮を執ることがほぼ確実だ。だからこそ、ここでもう一度、チーム一丸となりたい。爆発力はある。勢いに乗れば、大型連勝も可能だ。2位・広島とは5ゲーム差。優勝が難しくなった中、目指すべきものは本拠地でのCS開催、そしてその舞台でバウアーが復活登板を果たし、大歓声を浴びることになるだろう。9月以降も、まだまだファンに楽しませる“熱いドラマ”を見せられるはずだ。
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