“吉井マジック”で大健闘ロッテの期待と課題 経験ではなく結果、CS舞台へ万全の体制で臨めるか
吉井体制1年目のロッテは粘り強い戦いで2位に付けている 【写真は共同】
※成績はすべて9月6日時点のもの
チーム一丸での勝負強い戦いぶり
前半戦を貯金10で終えた時点で、佐々木朗希が7勝(2敗)を挙げ、防御率1.48、勝率.778、121奪三振の「投手三冠」の働き。そして、調子のいい選手を見極める日替わり打線、そしてブルペンデーの導入など、随所で“吉井マジック”と言える戦いぶり。1点差試合が19勝10敗という勝負強さが目立っていた。
だが、佐々木が7月24日の登板を最後に左わき腹肉離れで離脱すると、8月は11勝15敗1分けと黒星が先行し、貯金を増やし続けるオリックスに引き離された。それでも、9月6日時点で60勝53敗5分けの貯金7の2位。首位とは9.5ゲーム差と離れているが、CS進出へは有利な位置にいる。
ポランコの爆発継続に加えて「チームを勝たせる選手」が欲しい
だが、ポランコ一人に頼るだけではチームに未来はない。求められるのは、安田尚憲、山口航輝、藤原恭大というプロスペクトたちの活躍だ。彼らも成長の跡を見せてはいるものの、まだまだ物足りず、成績的にも伸び悩んでいる。ベテランの角中勝也、荻野貴司が戦列復帰し、好調の岡大海、大卒ルーキーの友杉篤輝やトレード加入の石川慎吾ら、戦力層が厚くなっている中で、いつまでも将来性に頼って試合に出続ける訳にはいかない。シーズン終盤戦、CSを迎えるにあたって「経験を積む」のではなく「結果を出す」ことを期待。「チームを勝たせる選手」になる必要がある。