今季2軍戦で好成績、爪を研ぐ期待の男たち リーグ戦再開後の“新戦力”を探る

三和直樹

一軍での活躍が期待できる左右のスラッガー

中央大出身のスラッガー北村(ヤクルト)はイースタンの本塁打王争いをリードしている 【写真は共同】

 長打力に目を向けた際に注目したい打者が、大卒ルーキーの北村恵吾(ヤクルト)だ。近江高で1年時から4番に座って甲子園に出場して高校通算44本塁打をマークし、中央大からドラフト5位指名で入団した右のスラッガー。2軍でここまで48試合に出場して打率.224、8本塁打、26打点。打率こそ低いが、イースタントップタイの8本塁打を放っている。1軍では5月6日のDeNA戦に代打でプロ初打席に立って投手失策により出塁。リーグ戦再開後のプロ初安打、初本塁打に期待したい。

 すでに1軍で存在感を見せているのが、高卒2年目の左の強打者、前川右京(阪神)である。1年目の昨季は故障明けの9月以降に2軍で打率.343を記録し、ファーム日本選手権では一矢報いる本塁打を放った。今季はウエスタンで32試合に出場して打率.360、2本塁打、15打点をマーク。そして交流戦開幕の5月30日に自身初の1軍昇格を果たすと、6月7日の楽天戦を含めて5試合でクリーンナップに座ってマルチ安打を3度記録した。岡田彰布監督からの評価も高く、リーグ優勝への鍵を握る存在、ラッキーボーイになる可能性がある。

2軍の盗塁王争いをリードする俊足自慢の2人

現在イースタン盗塁王は育成2年目の村川(DeNA)。今季中の支配下登録なるか 【写真は共同】

 自慢の「足」でアピールを続けているのが、育成2年目の村川凪(DeNA)だ。50メートル5秒5の俊足を武器に、1年目の昨季は2軍で72試合に出場して13盗塁をマークした。迎えた2年目の今季は、ここまで2軍戦49試合に出場してイースタントップの17盗塁。課題だった盗塁成功率も、昨季の.565から.773に大幅アップさせている。バットでも打率.266は及第点の数字。まだ背番号103だが、今季ここまで12球団最少の12盗塁のDeNAにとって“使うべき武器”だと言える。

 ウエスタンでは、大卒2年目の渡部遼人(オリックス)がトップの14盗塁をマークしている。盗塁成功率.700は村川より劣るが、慶應大時代から鳴らした外野守備はプロでもトップレベル。昨季は1軍で16試合に出場して17打数1安打、1盗塁(盗塁死1)だったが、ベンチに置いておけば必ず役に立つはず。現在、2軍で打率.252のバッティングを向上させて一気に飛躍したいところだ。

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著者プロフィール

1979年1月1日生まれ。大阪府出身。学生時代からサッカー&近鉄ファン一筋。大学卒業後、スポーツ紙記者として、野球、サッカーを中心に、ラグビー、マラソンなど様々な競技を取材。野球専門誌『Baseball Times』の編集兼ライターを経て、現在はフリーランスとして、プロ野球、高校野球、サッカーなど幅広く執筆している。

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