プレミア12・出場チーム「戦力ランキング」

記事

 日本時間11月10日に開幕した第3回プレミア12。今回は出場チームの戦力を数値化し、6つの項目別(各項目10点満点)で採点。その合計得点をランキング形式で紹介するとともに、各チームについて掘り下げていく。今回は、オープニングラウンドで日本が属するグループBの6チームを見ていきたい。
(企画・編集/データスタジアム株式会社)

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※寸評は2024年11月8日時点の情報をもとに執筆

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解説

井端弘和監督が率いる日本は、若手中心のフレッシュなメンバーで大会連覇を狙う【写真は共同】

WBCを制した侍集団 日本

 2023年のWBCで世界の頂点に輝いた侍ジャパン。今回のプレミア12では優勝候補の最右翼であり、戦力評価の合計点は全チームトップとなった。昨年11月に開催されたアジアプロ野球チャンピオンシップから代表チームの指揮を執る井端弘和監督のもと、今大会は若手中心のメンバーが招集された。昨年のWBCを経験したのは、リーダーシップに優れる牧秀悟(DeNA)をはじめとした5名。代表初選出の選手が半数近くに及び、経験値はやや心もとないかもしれない。とはいえ、首脳陣をはじめとしたサポートメンバーは数多くの国際大会を経験しており、選手のパフォーマンスを引き出す体制は整っている。日本の強みは盤石な投手陣であり、23年のWBCでは出場20チーム中トップの防御率を記録。アジアプロ野球チャンピオンシップでも4試合で喫した失点は計4点だった。今大会でも奪三振能力に優れる投手が数多く選出されており、パワーピッチで相手打線をねじ伏せながら、試合の主導権を握っていく展開が期待される。WBC王者として各国から厳しいマークを受ける中、それをはねのける団結力を見せ、大会連覇へ挑む。

復権を目指す“赤い稲妻” キューバ

 国際大会で過去多くの栄光を手にしてきた“赤い稲妻”ことキューバ。近年は存在感が薄まりつつあったが、昨年のWBCではベスト4と復権の気配を見せている。その躍進をもたらしたのは、NPBに縁のある選手たちだ。今大会でも投手陣の柱としてL.モイネロ(ソフトバンク)とR.マルティネス(中日)の両名を招集。野手陣にもA.マルティネス(日本ハム)やC.ロドリゲス(中日)といったNPBで活躍中の選手に加え、A.デスパイネ(元ソフトバンク)やR.サントス(元ロッテ)といった日本でなじみのあるベテランが名を連ねる。また、メジャーで通算747試合に出場し93本塁打を放っているY.モンカダも加わり、投打ともに高い水準でバランスの取れたチーム構成といえるだろう。過去のプレミア12ではベスト8が最高戦績となっているが、今大会では初の表彰台も期待される。

剛腕リリーバーがそろう ドミニカ共和国

 メジャーリーグに有力な選手を数多く輩出しているドミニカ共和国。ただ、前回のプレミア12では3試合で計20失点を喫し、オープニングラウンドで敗退。これを受けてか、今大会のチームは投手陣が充実しているのが特徴だ。メジャーで通算265試合に登板しているD.カスティーヨをはじめ、19年に中日で41ホールドを挙げたJ.ロドリゲス、現在広島に所属するR.コルニエルといった剛腕がブルペン陣にそろう。他にも、先発での起用が予想されるW.ペラルタはメジャー通算56勝の実績を持つ。一方の野手陣は、ともに日本ハムでプレーしたA.アルカンタラとA.ハンソンなど、今季メキシカンリーグに所属した選手を中心に構成されている。ビッグネームこそいないものの、上記の2人を含めてメジャー経験者が複数参加しており、得点力は十分にある。今大会は質の高い投手陣と粒ぞろいの打線で激戦を勝ち抜き、スーパーラウンド進出を狙う。

若くして韓国代表の中心選手となっているキム・ドヨン。パワーとスピードを兼ね備えた注目のタレントだ【Photo by Gene Wang/Getty Images】

世代交代を進めたチームで“打倒・日本”となるか 韓国

 15年のプレミア12では準決勝で日本を破って初代王者に輝いた韓国。19年の前回大会でも準優勝を果たすなど、この大会では好成績を収めている。ただ、侍ジャパンにとって宿命のライバルといえる同国も、先の勝利を最後に日本戦は連敗中と苦しい時期を過ごしている。そうした状況で迎える今大会は、韓国リーグでプレーする20代の若手選手を中心にチームを構成。世代交代のタイミングと重なったこともあり、戦力評価はグループBで下位となった。野手陣に昨年のWBCを経験した選手はいないものの、高卒3年目にして打率.347、38本塁打、40盗塁を記録したキム・ドヨンは要注目の存在だ。投手陣では、昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップの決勝戦で日本を相手に好投したグァク・ビンらが選出されているが、先発投手の層には不安を抱えている。60試合に登板して防御率2.08を記録した19歳のキム・テギョンをはじめ、リリーフ陣には駒がそろっているため、継投で勝利を手繰り寄せたいところだ。

地元の大声援を力に再び躍進を チャイニーズ・タイペイ

 アンダー世代でも優れた成績を残し、野球世界ランキングで2位タイに位置するチャイニーズ・タイペイ。オープニングラウンドが地元で開催された前回大会では、スーパーラウンドに進出して5位という結果を収めた。再び地元で戦いをスタートする今大会も躍進が期待される。チームは国内でプレーする選手を中心に構成され、前回大会でベストナインに輝いたジャン・イーをはじめ、チェン・グァンユウ、クォ・ジュンリンといったNPBでのプレー経験がある投手が複数選出された。ただ、今季の国内リーグで防御率1位を記録したグー・リン・ルイヤンが出場辞退。昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップで日本打線を7回途中1失点に抑えた右腕は、今大会もエースとして期待されただけに、戦力面での影響は大きいといえる。一方の打線は、国内リーグで3度の首位打者に輝いているリン・リー、強打の捕手で22、23年の本塁打王であるジリジラオ・ゴングァンといった実力者が並ぶ。ホームアドバンテージを生かし、2大会連続のスーパーラウンド進出を果たせるか。

メジャードラフト全体1位ルーキーが参戦 オーストラリア

 22年の強化試合や23年のWBC、アジアプロ野球チャンピオンシップなど、近年は侍ジャパンとの対戦が多いオーストラリア。今大会でもオープニングラウンドで日本と同じグループとなっている。代表選手は国内リーグのプレーヤーが中心で、先述の各大会に出場した面々が顔を並べる。他チームと比べると戦力が充実しているとはいえないが、出場する中で最も国際大会の経験値が高いチームといっても過言ではない。さらに今回は、今年のメジャードラフトでオーストラリア人では初となる全体1位指名を受けたT.バザーナが参戦。もともとパンチ力を売りとしていた打線に、頼もしい強打の二塁手が加わった。経験豊富なメンバーにスターの卵が合わさることで、これまで以上に勢いのあるチームとなっていることだろう。昨年のWBCで下馬評を覆して1次ラウンド突破を果たしたオーストラリア代表は、この大会でも番狂わせを起こせるか。

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