島根のペリン・ビュフォードが今季2度目の月間MVP チームをけん引も「彼がBリーグナンバーワンのポイントガード」

大島和人

10月に続き、2月の月間MVPに輝いたビュフォード 【提供:島根スサノオマジック】

 Bリーグの月間MVPに相当する「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」は、2022-23シーズンから選考委員による合議で決定されている。2023年2月の月間MVPには、島根スサノオマジックのペリン・ビュフォード選手が決まった。彼は10月にも同賞を獲得しており、今季2度目の月間MVPとなっている。

 ビュフォードはアメリカ生まれの29歳で、198センチ100キロのスモールフォワード。キャプテンの安藤誓哉とともにチームを引っ張り、驚異的なスキルとエネルギーを見せているオールラウンダーだ。2月はリーグ1位となる1試合平均27.0得点に加え、同10.3リバウンド7.0アシストの大活躍。特に101-96で勝利した2月4日のレバンガ北海道戦は「残り1.2秒」から同点のフローターを沈め、しかもキャリアハイの41得点を記録した。

 チームも北海道とアルバルク東京に連勝し、4勝0敗で2月を終え、強豪がそろう西地区の首位に立っている。今回はチームメートの評価、トリプルダブルの背景にあるチームメイトの“応援”など、チーム好調の背景をじっくり聞いている。

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ニック・ケイ、安藤誓哉とともに島根の躍進を支える

――昨年10月以来となる今シーズン2度目の月間MVP受賞、おめでとうございます。前回と同じ質問ですが、まずは受賞の感想をお願いします。

 こういった賞を取ることは当たり前ではありませんし、自分は恵まれていると思っています。大変光栄なことだと感じています。

――2月は北海道、A東京と2試合ずつ対戦して、4勝0敗で終えました。チームの戦いとご自身のプレー、それぞれを振り返っていただけますか?

 まずチームの話からすると、“島根のスタンダード”でバスケができました。所々崩れるところもあったんですけれども、我々が求めているバスケットボールを披露できたと思っています。特にA東京戦は、お互いにリーグの強豪と見られているチームですから、そこで勝利できて良かったと思っています。

 個人的には得点とリバウンド、それとディフェンス――。チームから求められていることを、それぞれきちんとできて良かったです。

――2月の4試合の中で、特に一つ印象深いカードがあったら挙げてもらえますか?

 これといって目立った試合があると思わないんですが、キャリアハイをたたき出した試合ですね。自分が試合を(2点ビハインドから同点に追いついて)オーバータイムに持ち越すための重要な得点を決めて、最終的に勝利をものにできた。まずあの試合が印象に残っています。

――2月4日の北海道戦ですね。ビュフォード選手はおっしゃるようなプレーをして、キャリアハイの41点を挙げています。2点ビハインドの第4クォーター残り1.2秒から決めた同点ショットを振り返ってもらえますか?

 そのシュートを決める前に数本のシュートを打ったんですけれども、1本フローターを放った時にそれを落としてしまって、そのことが少し気になっていました。その後、もし似たようなチャンスがあれば、「もう絶対に落とさないぞ」と心の中で決めていました。(ポール・ヘナレ)ヘッドコーチもその局面で自分にボールを集めてくれると話していたので、「必ず決めてみせる」という気持ちでプレーに入って、実際にシュートを決めることができました。

――タイムアウト中にビュフォード選手から「ラストショットを打ちたい」という意思表示はあったんですか?

 チームメートもコーチングスタッフも、自分がラストショットを打ちたいことは知っていると思います。その状況でも私にボールを集めてくれて、打ったシュートも日頃の練習をしているものでした。同じような状況であれば、それが(プレッシャーのかかる)重要な局面だとしても、決める自信がありました。

重要な局面でしっかりとエースの仕事を果たした 【(C)B.LEAGUE】

――島根のチームについてお聞きします。リード・トラビス選手が1月の終わりから復帰していますが、復帰のインパクトはいかがですか?

 まず自分が40分出場することは減るので、それはとても喜んでいますね(笑)。リードは万能性のある選手です。外のシュートを決められますし、リバウンドも取れる。それとフィジカルで相手を圧倒する力を持っています。そのほかにも全く違う景色、違う観点、違う考え方を持ちながら、新しいビジョンをチームにもたらせる強みがあると感じています。

――島根のキープレーヤーはビュフォード選手とニック・ケイ選手、そして安藤誓哉選手だと思います。まずケイ選手をどうご覧になっているか、ぜひ教えてください。

 ニック・ケイ選手はもう非常にいいチームメートですし、素晴らしい人柄の持ち主です。IQが非常に高い選手で、シュートセレクションを絶対に間違いません。毎回いいシュートを打ってくれて、状況判断もいいし、ディフェンスも頑張ってくれる。多岐に渡って素晴らしい仕事をしていると思っています。

――安藤選手はビュフォード選手とともに、2月の月間MVP候補に挙がっていました。

 彼はコート上の“キラー”だと思っています。相手にトドメを刺すような、強烈なメンタリティの持ち主です。まず得点能力がありますし、仲間をいかすためのボールさばき、プレーメイキングの能力を持っています。ちょっと贔屓(ひいき)目かもしれないですけど、自分は彼がBリーグナンバーワンのポイントガードだと思っています。

 もう一つ、今シーズンと昨シーズンで彼が違うのはリーダーシップです。日本人選手のみならず、外国籍選手に対しても、声を出してくれてますし、リーダーシップを発揮してくれています。そういった面も含めて、本当にいい選手だと思っています。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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