試行錯誤と努力で進化したスキルで名物実況アナがゲームを盛り上げます【B MY HERO!】
【B.LEAGUE】
島根スサノオマジックの試合を熱く実況する平川翔也アナに注目
今シーズンのBリーグでは、例年以上に注目の試合が数多く発生しているとつくづく感じます。
バスケットLIVEの見逃し配信で気になった試合を観ていこうとしても、全部観ることができないうちに次の週末・水曜日開催の試合が訪れてしまうこともしばしば。「体がいくつあっても足りないよ」「どうにかしてバスケを集中的に観まくる期間を作れないものか」と、今シーズンすでに何百回思ったことでしょうか。
そして、そんな熱戦を中継で伝える実況・解説の方々にも、わたしは注目しております。
全国各地にはバスケの面白さをその巧みな言葉でしっかり伝えてくれる方々が数多くいらっしゃいますが、今回取り上げる平川翔也アナウンサーも、まさにそのひとり。
平川アナウンサーは、山陰地区(島根・鳥取)の民放テレビ局の看板アナウンサー。ニュース番組のキャスターから情報番組のアシスタントまで幅広く担当しているほか、島根スサノオマジックのホーム戦中継での実況も長く務められています(ちなみに、平川アナウンサーが所属するテレビ局の本社は、スサノオマジックのホーム会場・松江市総合体育館から歩いて数分のところ)。
わたしが初めて平川アナウンサーの実況に触れたのは、2021年2月26日に行われたサンロッカーズ渋谷戦での中継。オーバータイムにもつれた末、最後はスサノオマジックが勝利を飾った試合でした。
勝負の決め手となったのは、杉浦佑成選手(当時スサノオマジック所属)のパスを受けてペリン・ビュフォード選手が放ったアリウープダンク。このプレーに対して平川アナウンサーは、「いやぁ朴さん言葉が出ませんねえ!」と解説の朴航生さんに話しつつ、興奮に満ちた言葉が止まらない様子だったことを覚えています。
心の中で「言葉がものすごく出ているじゃないですか……」とツッコミを入れつつ、スサノオマジックに対する強い愛を持ちながらサンロッカーズへのリスペクトも感じられる、まっすぐで一生懸命な実況ぶりを楽しく聴いておりました。
昨シーズン、スサノオマジックは初めてチャンピオンシップに進出。この際、クォーターファイナル(アルバルク東京戦)でも実況を担当しています。
アルバルクの吉井裕鷹選手を「窮地を救うどころか大舞台で成長を遂げるオールラウンダー」、スサノオマジックのニック・ケイ選手を「不屈の闘志、誠の精神で戦う豪州の秘宝」などと伝えた熱量たっぷりのスターティング5紹介は、「B MY HERO!」の司会を務めている関根ささらさんもツイッターで絶賛。
スサノオマジックの勝利が見えてきたGAME3の終了直前には、「すべての選手、ファン、支える人たちの、思いが紡がれて、思いは技術を超える。それを証明してみせました島根スサノオマジックです」という言葉を紡ぎ、胸を打たれました。
このシーズンには、リーグ公式映像を担当する中継チームを対象にした「B.LEAGUEプロダクションアワード」で、スサノオマジックのホーム戦を担当したチームが「審査員特別賞」を受賞。平川アナウンサーもこの受賞に大きく貢献していることは間違いありません。
2021年2月26日、島根対SR渋谷の実況メモ 【(C)きんきんきん。】
チームとともに実況アナもシーズンを通して成長・進化
初めてBリーグの実況を担当したのは2017-18シーズン。スサノオマジックにとって1度目のB1を過ごしたシーズンでした。
学生時代は野球一筋でバスケはほとんど知らず、試合を観ても何が起きているのかよく分からない。その上、入社1年目にして、解説の話を受けながら試合を伝えないといけないという状況。
スポーツ志望ではなかった上、当時はテレビ局もスポーツ実況の教育システムがあまり整っていなかったらしく、かなりハードなことを求められていたのだと想像されます。
当時のツイートを検索してみると、その実況ぶりに対して厳しい声をぶつけられる方も。
うまく行ったと思っても大先輩の実況アナウンサーから酷評を受けたこともあったそうで、本人も「今すぐにでも辞めたかった」とYouTubeの動画で当時を振り返っています。
その苦しさを乗り越えながらも相当な試行錯誤と努力をされてきたからこそ、今につながっているのだと感じますし、わたしも見習わなくては(仕事に対する向き合い方という点で)。
その平川アナウンサー、今シーズンの12月には千葉ジェッツ戦、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦と注目カードの実況を担当。
気持ちが高まってくるスターティング5紹介はもちろん健在。10日のジェッツ戦ではスサノオマジックの安藤誓哉選手を「高い熱伝導率を誇るドッグファイトメンタリティー」と紹介したほか、ジェッツのクリストファー・スミス選手を称した「紅のスナイパー」はジェッツの公式ツイッターでもネタにされたほど。
試合中も、選手の闘争心を想像させてくれるような言葉の選び方が冴えていて、冷静かつ丁寧に伝える解説の朴さんとのコンビネーションも抜群。
試合自体も何だかチャンピオンシップのような緊張感と見応えがあり、改めて強豪とされるチームが持つ迫力が画面越しに伝わってくるようでした。
Bリーグの中継を実況されているアナウンサーの中には、今シーズンから担当しているアナウンサーの方もいらっしゃいます(特にB2の中継でその傾向がみられます)。
最初は荒削りでつたないところがあったとしても、数年経てば「この人の実況で試合を観たい! 代表戦を観たい!」と思わせてくれる、そんな人がこの中から出てくるのかもしれません。
ちなみに、スサノオマジックのホーム戦中継でも、平川アナウンサーの後輩である福島睦アナウンサーが14日の大阪エヴェッサ戦で実況デビューをしています(この時は心なしか、解説の朴さんがいつも以上に丁寧に詳しく説明してサポートしている印象がありました)。
シーズンを通してBリーグの各チームが見せてくれる進化はもちろん、実況を担当される方々の成長や進化という点にも注目して、楽しんでいきたいなと思っております。
島根の安藤誓哉選手を「高い熱伝導率を誇るドッグファイトメンタリティー」と紹介 【(C)B.LEAGUE】
きんきんきん。(B MY HERO!特派員)
【(C)きんきんきん。】
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