B MY HERO!特派員のmeです。

　この度ご縁があり、特派員としてコラムを書かせていただくことになりました。私はバスケの経験はありませんが、カメラを片手にBリーグ観戦を楽しんでいます。

　そうそうたる顔ぶれの中に私で大丈夫かとドキドキですが、自分のヒーローについて書けるとのことで、私の大好きな選手である広島ドラゴンフライズの辻直人選手について自由に書きます。

　辻直人を知ったのは、Bリーグ2シーズン目の2017年9月に関東6チームが集い、船橋アリーナで開催されたアーリーカップでした。

　一緒にアーリーカップを見に行った友人が「川崎の辻はすごい！　何がすごいかというと全治3週間程度を見込むケガをしながらも翌週の試合には出場して3ポイントを決め、アナリスト泣かせの復帰詐欺をする驚異的な回復力を持つ選手なのだ」と言う話を聞いたのが初めての辻直人情報でした。

　そんな情報を聞いて、いったいどんな選手なのだろうと気にならないわけがありません。しかし、その大会では練習中のケガのため欠場となり、プレーを見ることは叶いませんでした。

　実際にプレーを見られたのは、2017年12月30日に辻直人の母校である青山学院大学で行われたサンロッカーズ渋谷との試合です。その試合では3ポイント6本を含む23得点の大活躍でした。3ポイントシュートを決めるたびに独自のポーズを披露し、体全体で闘志を表す姿はとてもかっこよくて、私の目には少女漫画の表現のように辻直人の周りだけきらきらと光っているように見えていました。必死に感情をむき出しで戦っているさまに、いつの間にか熱狂しました。

　さらに試合後のヒーローインタビューではインタビュアーの希望に応えて決めポーズを披露し、そんなお調子者のような一面にもぐっと心を掴まされてしまいました。プレー中とそれ以外のときのギャップ萌えというものでしょうか。

　極めつけは2018年2月22日に横浜国際プールで行われたワールドカップ2019アジア地区1次予選（Window2）のチャイニーズ・タイペイとの試合です。日本代表に選ばれた辻直人はベンチスタートからの登場にも関わらず、コートイン早々に3ポイントシュートを決め、試合終盤でも逆転の希望につながるシュートを放ち、最終的に3P8本を成功させ26得点の成績を残しました。

　チームは負けてしまいましたが、日本代表のユニフォームを纏い、次々と3ポイントシュートを沈める姿に心が熱くなり、隣の友人をバシバシと叩いてしまうくらいには興奮したことを今でも覚えています。ヒリヒリとした試合の中、シュート1本で流れを変えるその存在は日本代表チームを明るく照らす太陽のようでした。

　そこから私はすっかり彼に魅了され、川崎ブレイブサンダースの試合を一人でも見に行くようになりました。その間、ケガや不調などがありイメージどおりにいかないことも多かったと思うのですが、常に前を向き続ける姿に勇気をもらっていました。

　そして何度もとどろきアリーナに足を運び試合を観戦し、辻直人だけではなく川崎のチームにも愛着がわいてきたある日、その衝撃は訪れました。

　2021年5月31日、川崎ブレイブサンダースからのリリース。

　辻直人が大学卒業後ずっと所属してきた川崎のチームを離れるというものでした。リリースの本人コメントにある「自分自身、勝手に『このクラブでキャリアを終えるのだろうな』と思っていました」の言葉には全ファンが頷いたのではないでしょうか。

　私は職場でそのリリースを見た瞬間、トイレに駆け込んで号泣しました。ずっと川崎だと思っていたとか、もう川崎の辻直人が見られない絶望感だとか、次はどこでやるのかとか、今までのように何度も見には行けなくなるだろうとか、川崎ではないチームでどれだけ応援できるのかとか、どんな気持ちで決断したのかなどいろんな感情が駆け巡り、何に泣いているのかわからなくなるほどで、それくらい辻直人の移籍の衝撃は大きいものでした。

　私は辻直人個人のファンなので、応援しているチームから好きな選手がいなくなる寂しさとは違うと思っていましたが、川崎で愛される辻直人が大好きだったのだとそのとき気がつきました。

　2021-22シーズンの開幕戦、朱色の背番号3番を着た辻直人を見るために、私は広島にいました。川崎の辻直人しか知らなかった私は、新しい彼を見た自分がどんな思いを抱くのか想像もできず妙に緊張していて、コートに姿を現す前から感極まるばかりでした。

　しかし試合を観戦し終わったあとに思ったのは、辻直人は変わらず『辻直人』ということでした。厳島神社の鳥居の朱色だという広島のユニフォームは似合っていて、何色のユニフォームで何番を背負おうとも、相変わらず太陽のような存在で、そのシュートは流れを手繰り寄せてチームを勢いづけます。そしてやはり私の目を通して見る辻直人は変わらずにきらきらと光っていて、これからも変わらずに応援していける、いや応援していきたいと思いました。

　川崎時代から彼を応援するようになりましたが、一人で試合観戦をしつつ写真を撮り、そそくさと会場を後にする、そんな観戦スタイルだった私に川崎ファミリーの知り合いはほぼいませんでした。

　そんな私ですがここ1、2年で辻直人を応援する仲間がたくさんできました。

　2021年にオンラインサロン『TEAMNAOTO』が開設されたためです。オンラインサロンでは日記で近況報告をしてくれたり、ライブ配信でのオンラインミーティングを開催したり、他にもメンバー同士の交流ができる雑談コーナーやオフシーズンには対面でのオフ会が開催されるなど、コンテンツがたくさんあり、選手の生の声を聞くことができます。

　オンラインサロンに入会し、オフ会やSNS、会場などで、辻直人を応援する同士と知り合うことができました。今では試合会場に行けばサロンメンバーに会えますし、試合後や試合日以外でも本人不在のオフ会ということで食事に行き、辻直人について語るようになりました。一人でも楽しかった試合観戦が、今ではさらに楽しみなものになっています。

　TEAMNAOTOはメンバーの団結力が強いのですが、これは本人の人柄によるものだとしみじみ思います。プレーで魅せてくれる姿、オフコートで関西人らしく面白く盛り上げようとしてくれる姿（たまにすべって一人で笑っているのも愛おしいです）、納得いかず悔しがる表情、チームメートが活躍し喜ぶ笑顔など、着飾らないありのままを見せてくれて、その人間くささこそが魅力であり、だからこそ彼のもとには人が集まり、周りを元気にしてくれるのだと思います。

　一生懸命に人を応援する楽しみや、バスケの面白さや熱狂、その写真を撮りたいという気持ち、一緒に応援する仲間、たくさんのものを辻直人にもらっています。彼に出会えてよかったと実感するとともに、これからも応援し続けていきたいと思います。

辻選手の3ポイントポーズを撮ることに全力を尽くす、カメラとお酒が好きなバスケ素人。
遠征先ではご当地の美味しい食べ物に選手ユニベアを添えて写真を残し、試合会場ではマスコットぬいとアリーナ天井の写真で記念撮影をすることをルーティーンとしている。
チームは千葉ジェッツふなばし、個人は辻直人、岡田侑大などその他たくさん（魅力のある選手多すぎ問題）、マスコットはサンディーと推しが多い。
『TEAMNAOTO』に入会して彼氏ができたので、辻選手にお祝いしてもらうことが今後の目標。

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