大会の行方を左右するポイントは? WBC特有のルールを紹介
中日戦での内容は振るわなかった侍ジャパン。本番に向けて課題を克服できるか 【写真は共同】
各国首脳陣の頭を悩ませる球数制限
中日との合同練習で登板したダルビッシュは、WBC本番でも先発を務めることになるだろう 【写真は共同】
これに関しては打線が2巡、3巡と回るたびに先発の成績は悪化する傾向にあるため、先発を早く降板させられる選手層の厚さには別のメリットももたらす。近年のMLBではリリーフ投手が先発し、その後ろを本来先発できる投手がロングリリーフ、あるいは先発が打者9人に投げたところで別の先発がもう1巡を担当するような継投シーンも増えている。侍ジャパンは、選手層と球数制限ルールによってこの戦術を取ってきたと思われるが、継投の手段としては時代を先取りしていたのかもしれない。
なお、このルールに関しては、プールBで戦う日本の1次ラウンド最終戦が行われる3月12日に初戦を迎え、11日間で決勝まで7試合を戦い抜くプールC、Dのチームほど細心な起用を求められる。メジャーリーガー中心の各国メンバーを見ると、アメリカやベネズエラ、メキシコは先発やロングリリーフが比較的多く、ドミニカ共和国やプエルトリコは少数精鋭の先発に本職がリリーフを多く揃えた構成になっている。投手交代において打者3人に投げるか、あるいはイニングの最後まで投げきる必要があるワンポイント禁止ルールが今大会から採用されたこともあり、ドミニカ共和国のような編成のチームは先発が役割を全うできるかどうかがチームの動向を大きく左右しそうだ。