【選手名鑑】ソフトバンク選手多すぎ問題と「始球式背番号」のフリーダムを愛でる

カネシゲタカシ

フリーダム具合がすごい始球式有名人の背番号

 ではマスコットたちの背番号はどうか。ヤクルト・つば九郎の「2896(ツバクロー)」を筆頭に、阪神・トラッキーの「1985(日本一の年)」、日本ハム・フレップの「179(北海道の市町村数)」などフリーダムな番号が並ぶ。広島・スラィリーの「!」、DeNA・DB.スターマンの「☆」にいたっては数字ですらない。

 そしてマスコット以上にフリーダムなのが、始球式に登場する有名人の背番号だ。例えば菜々緒の「770」、瑛人の「8」、阿部一二三の「123」などは、そのまますぎて嬉しくなる。有働由美子アナの「0(ZERO)」もサウンドロゴが聞こえてきそうだ。なお語呂合わせ系で最も大きいと思われる背番号はギタリスト・鮎川誠の「4769」。自身のバンド「シナロケ(シーナ&ロケッツ)」からだが、けっこう強引だ。

 また陸上選手の山縣亮太は「9.99」を着用。100メートル9秒台への期待にちなんだ、世にも珍しい小数点背番号である。あと変わり種は西武戦のウエンツ瑛士の「230」。子供の頃から西武ファンで、自宅から球場まで通っていたときの電車賃が「230円」だったとか。思い入れが伝わってほっこりする。

 東京都知事の小池百合子はヤクルト戦の始球式で「1」、巨人戦では「2020」を着用。「2020」は東京五輪PRで、「1」はなんと「都民ファースト」の「1」。背番号の政治利用にキレがある。同じく政治家では2016年のオリックス戦で当時・大阪府知事の松井一郎が「160(イチロー)」を着用した。しれっと「51」を着てオリファンをざわつかせなかったところは高度な政治判断か。

 またオリックス戦つながりでは、ハイヒール・モモコが「333」を着用している。本人曰く「子供が3人おりますねん」の「3」、さらにバファローブル「111」、バファローベル「222」に続く“3人目のマスコット”としての意欲も込めたんだとか。いや込められても。ブル、ベル、モモコ。どうもありがとっ。

 しかし、なんだかんだいって2015年の楽天戦始球式での、松本伊代の「16」が一番笑えて一番美しい。「タレントの松本伊代さん(50)が」と記事中でネタバレする所も含め、すべてが尊いと感じた。現在はケガで療養中の伊代さんだが、再びマウンドで躍動する日が待ち遠しい。きっと大丈夫。伊代はまだ、16だから。

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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