【福西崇史のスコア予想】日本vs.コスタリカ「がむしゃらに出てきそうな相手にはカウンターが効く」

吉田治良

勝利が必須のコスタリカがなりふり構わず前に出てくれば、日本のカウンターが効果的だ。三笘(右)や伊東のスピードのある仕掛けを生かしたい 【Photo by Stuart Franklin/Getty Images】

 強豪ドイツに劇的な勝利を飾った日本代表が次に戦う相手は、初戦でスペインに大敗を喫したコスタリカだ。元日本代表MFの福西崇史氏は、早くも厳しい状況に追い込まれたコスタリカが、「がむしゃらに前に出てくる可能性がある」と予想。スコアも含めて、グループリーグ第2戦(日本時間11月27日、19時キックオフ)の行方を占ってもらった。

※リンク先は外部サイトの場合があります

攻めの戦略がハマったドイツ戦

──最初に、日本が歴史的な勝利を飾ったグループリーグ初戦のドイツ戦から振り返っていただけますか?

 めちゃくちゃ良かったんじゃないですか。前半にあれだけやられて修正が必要な状況で、後半の頭から3バックに変え、さらにどんどん攻撃的な選手を投入してという攻めの戦略が見事にハマりましたね。結構リスクもかけてやっているわけで、どっちに転ぶか分からない怖さもあったと思いますが、森保一監督の思い切った采配が、逆転勝利という結果を導いたのは間違いありません。

──これまでには見られなかった采配でしたね。

 60分過ぎまで選手交代をしない、さらには交代枠を余らせることもあった今までのやり方だったら、ここまで(の結果)はなかったと思います。ですがこのワールドカップ本番では、ここっていう時の決断が非常に早かった。しっかりとした狙いのもと、確信をもって選手を送り込んでいましたね。

「引き分けでもいい」という選択肢

スペインを相手に1本もシュートを打てず、0-7で大敗したコスタリカ。日本戦ではエースのキャンベル(中央)も積極的にゴールを狙ってくるはずだ 【Photo by Buda Mendes/Getty Images】

──想像以上の結果を手にして、これでチームはかなり勢いづくと思いますが、勝てば決勝トーナメント進出が決まる可能性もある次のコスタリカ戦は、どのような戦い方をすべきでしょうか。

 もしドイツに負けていたら、コスタリカには絶対に勝たなくてはいけなかった。それが初戦で勝ち点3を取れたことで、引き分けでもいいという考え方もできるようになったわけです。試合展開が優勢になるか劣勢になるかは、もちろんやってみないと分かりませんが、初戦でスペインに大敗(0-7)したコスタリカは日本戦の勝利が必須なので、もしかしたらがむしゃらに出てくる相手に押される可能性もあるでしょう。そうなった場合に「勝ち点1でもいいから取る」という戦い方を選択するのも、1つの策だと思います。

 ドイツ戦の後半の日本みたいに、向こうがなりふり構わず出てきて、こちらが受けに回ったら厳しくなるでしょう。それこそドイツのように負ける可能性もゼロではない。だとすれば、引き分けでもいいとチームとして割り切って戦うのも、考え方としてはありなんです。逆に言うと、そこの判断、バランスの取り方という部分で、コスタリカ戦には難しさがあるんじゃないでしょうか。

──その判断は、試合の状況を見ながら決めていく?

 そうですね。ドイツ戦も劣勢の中、後半に行くぞと決めて勝負に出た。もちろんリスクはありましたが、GKの権田修一選手をはじめ、守備陣が身体を張って追加点を許さなかったからこそ、同点に追いついた後の日本の勢いにはものすごいものがありました。僕は現地でテレビ解説をしていましたが、一般のファンも巻き込んで、スタジアムはそれこそ日本で戦っているかのような雰囲気に一変しましたからね。

1/2ページ

著者プロフィール

1967年、京都府生まれ。法政大学を卒業後、ファッション誌の編集者を経て、『サッカーダイジェスト』編集部へ。その後、94年創刊の『ワールドサッカーダイジェスト』の立ち上げメンバーとなり、2000年から約10年にわたって同誌の編集長を務める。『サッカーダイジェスト』、NBA専門誌『ダンクシュート』の編集長などを歴任し、17年に独立。現在はサッカーを中心にスポーツライター/編集者として活動中だ。

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント