【福西崇史のスコア予想】日本vs.コスタリカ「がむしゃらに出てきそうな相手にはカウンターが効く」
勝利が必須のコスタリカがなりふり構わず前に出てくれば、日本のカウンターが効果的だ。三笘(右)や伊東のスピードのある仕掛けを生かしたい 【Photo by Stuart Franklin/Getty Images】
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攻めの戦略がハマったドイツ戦
めちゃくちゃ良かったんじゃないですか。前半にあれだけやられて修正が必要な状況で、後半の頭から3バックに変え、さらにどんどん攻撃的な選手を投入してという攻めの戦略が見事にハマりましたね。結構リスクもかけてやっているわけで、どっちに転ぶか分からない怖さもあったと思いますが、森保一監督の思い切った采配が、逆転勝利という結果を導いたのは間違いありません。
──これまでには見られなかった采配でしたね。
60分過ぎまで選手交代をしない、さらには交代枠を余らせることもあった今までのやり方だったら、ここまで(の結果)はなかったと思います。ですがこのワールドカップ本番では、ここっていう時の決断が非常に早かった。しっかりとした狙いのもと、確信をもって選手を送り込んでいましたね。
「引き分けでもいい」という選択肢
スペインを相手に1本もシュートを打てず、0-7で大敗したコスタリカ。日本戦ではエースのキャンベル(中央)も積極的にゴールを狙ってくるはずだ 【Photo by Buda Mendes/Getty Images】
もしドイツに負けていたら、コスタリカには絶対に勝たなくてはいけなかった。それが初戦で勝ち点3を取れたことで、引き分けでもいいという考え方もできるようになったわけです。試合展開が優勢になるか劣勢になるかは、もちろんやってみないと分かりませんが、初戦でスペインに大敗(0-7)したコスタリカは日本戦の勝利が必須なので、もしかしたらがむしゃらに出てくる相手に押される可能性もあるでしょう。そうなった場合に「勝ち点1でもいいから取る」という戦い方を選択するのも、1つの策だと思います。
ドイツ戦の後半の日本みたいに、向こうがなりふり構わず出てきて、こちらが受けに回ったら厳しくなるでしょう。それこそドイツのように負ける可能性もゼロではない。だとすれば、引き分けでもいいとチームとして割り切って戦うのも、考え方としてはありなんです。逆に言うと、そこの判断、バランスの取り方という部分で、コスタリカ戦には難しさがあるんじゃないでしょうか。
──その判断は、試合の状況を見ながら決めていく?
そうですね。ドイツ戦も劣勢の中、後半に行くぞと決めて勝負に出た。もちろんリスクはありましたが、GKの権田修一選手をはじめ、守備陣が身体を張って追加点を許さなかったからこそ、同点に追いついた後の日本の勢いにはものすごいものがありました。僕は現地でテレビ解説をしていましたが、一般のファンも巻き込んで、スタジアムはそれこそ日本で戦っているかのような雰囲気に一変しましたからね。