【福西崇史のスコア予想】日本vs.コスタリカ「がむしゃらに出てきそうな相手にはカウンターが効く」

吉田治良

勢いのある浅野のスタメン起用はアリ

ドイツ戦の消耗度も考慮しつつ、スタメンは変更してもいい。特に前線は、浅野など勢いのある選手をスタートから使ってくるかもしれない 【Photo by David Ramos - FIFA/FIFA via Getty Images】

──ドイツ戦は3バックに変更してから反撃に出ましたが、コスタリカ戦で最初から3バックを採用することはありませんか?

 僕は4バック(4-2-3-1)のままでいいと思います。ただ、ドイツ戦で90分間プレーしたメンバーは相当に疲弊しているでしょうし、コンディションにはバラつきが出てくると思います。途中出場の冨安健洋選手、前半のみで交代した久保建英選手にしても、現時点ではベストな状態かどうか分からない。中3日の連戦ですから、とりわけコンディションの見極めが重要になるでしょうね。

──ドイツ戦は控えメンバーの活躍が目立ちましたが、福西さんがコスタリカ戦のスタメンに推したい選手はいますか?

 浅野拓磨選手のスタメン起用はアリでしょうね。結果も出していますから。あとは同じく勢いのある三笘薫選手、堂安律選手もスタートから使っていいと僕は思います。ただ、後ろは安定させたいので、あくまでもコンディション次第になりますが、あまり大きくはいじらない方がいいかもしれません。
 
 初戦に勝ったことで、ある程度思い切ったトライもできるでしょうが、そこにもリスクは伴いますからね。それで万が一負けたら、一気に厳しい状況に追い込まれてしまう。あとは森保監督の考え方次第でしょう。3戦目のスペイン戦に向けて余力を残すのか、コスタリカ戦で決めにかかるのか。

コスタリカが嫌がるのは「選手の出入り」

スペインのように、コスタリカの守備陣を揺さぶり続けられるか。ペドリ(左)やガビなどが見せていた“間受け”を、日本も参考にしたい 【Photo by Maddie Meyer - FIFA/FIFA via Getty Images】

──試合展開はどう予想されますか? スペイン戦のコスタリカは完全に主導権を握られていましたが、日本も積極的にボールを握っていくべきですか?

 スペインがやったのと同じように、コスタリカを休ませず、どんどん動かした方がいいと思います。細かくパスをつないで、誰かが逃げて空けたスペースにまた別の選手が入って受け、そこからサイドに大きく展開して、といった揺さぶりが重要でしょうね。

 ただ、コスタリカがどうしてくるかは分かりません。先ほども言ったように最初から前に出てくるなど、スペイン戦とはまた違った戦い方を選択するかもしれないので、それに臨機応変に対応することが大切です。

──キープレイヤーを挙げるとしたら?

 誰が出るかにもよりますが、2列目の3人じゃないですか。ドイツ戦のスタメンで言えば、鎌田大地選手、伊東純也選手、久保選手、あとは三笘選手や堂安選手も含めて。コスタリカが一番嫌がるのは、「選手の出入り(ではいり)」です。スペインも複数人がライン間を出入りして、間、間でパスを受けながらフィニッシュまで持ち込んでいましたが、同じように日本も間受けして前を向ける選手がカギを握ると思います。

──では、勝敗予想とスコア予想をお願いします。

 2-1で日本の勝利、ですね。

──日本が2ゴールを奪う想定ですが、どんな得点シーンをイメージされていますか?

 中盤で奪ってカウンター。コスタリカは前に出てくる可能性が高いので、この試合ではカウンターが効きそうな気がしているんですよね。あとは伊東選手や三笘選手などのドリブル突破から、個人技で崩してフィニッシュというイメージは湧きますね。

 ただ残念ながら、ドイツ戦でもセットプレーからはゴールを奪える予感がまったくしませんでした。とっておきの策を、まだ残しておいてくれていたらいいんですけどね(笑)。

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福西崇史(ふくにし・たかし)

1976年9月1日生まれ、愛媛県出身。新居浜工を卒業後、95年にジュビロ磐田に加入。激しいプレーを身上にボランチの定位置を掴み、チームの黄金時代を支えるとともに、自身も4度(99年、2001年、02年、03年)のJリーグベストイレブンに輝いた。その後、FC東京、東京ヴェルディを経て09年1月に現役を引退。18年には東京都社会人サッカーリーグの南葛SCで現役復帰を果たし、同年11月から約1年間は同クラブの監督を務めた。日本代表としては02年日韓大会と08年ドイツ大会の2度のW杯に出場。通算成績は64試合・7得点。現在は主に解説者として活躍中だ。

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著者プロフィール

1967年、京都府生まれ。法政大学を卒業後、ファッション誌の編集者を経て、『サッカーダイジェスト』編集部へ。その後、94年創刊の『ワールドサッカーダイジェスト』の立ち上げメンバーとなり、2000年から約10年にわたって同誌の編集長を務める。『サッカーダイジェスト』、NBA専門誌『ダンクシュート』の編集長などを歴任し、17年に独立。現在はサッカーを中心にスポーツライター/編集者として活動中だ。

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