ジョーカーか、先発か。プレミアで覚醒中の三笘薫、カタールW杯での先発を「諦めていない」【インタビュー】
W杯を目前にブライトンで存在感を高めている三笘薫 【Photo by Clive Rose/Getty Images】
10月29日に行われたチェルシー戦で初アシストを記録すると、1週間後のウォルバーハンプトン戦で初ゴールをマーク。この試合でチームの奪った3ゴールのすべてに関わり、3-2の勝利に貢献した。しかも、4日後のリーグ杯アーセナル戦でも決勝点を奪い、強豪撃破の立役者となった。ここにきて、三笘の存在感は急速に高まっている。
転機は、今年9月の監督交代だった。グレアム・ポッター監督が開幕6試合を終えたタイミングでチェルシーに引き抜かれ、後任としてイタリア人のロベルト・デゼルビ監督が就任した。川崎フロンターレでプレーしていた三笘の獲得を決めたポッター監督が離れ、25歳のアタッカーも先行きが不透明になると当初は見られた。しかしポッター政権でベンチ扱いだった三笘を、デゼルビ監督はスタメンに抜擢するようになった。「ミトマは非常に大きなポテンシャルを秘めている選手。しかもそのすべてを発揮しているわけではない。素晴らしい選手で、これからも成長できる」と、知将デゼルビは日本代表MFへの期待を隠そうとしない。
三笘が身を置くのは、「夢だった」と語る“世界最高峰”のプレミアリーグである。ブライトンでのレギュラー争いも「練習からバチバチ。選手が人生を懸けているのが、日本にいた時よりも感じる」という。
「練習の強度も違うし、チームメートの質も高い。もちろん試合でもいろいろな素晴らしい相手とやれる。すごく成長していると思います」と続け、イングランドでの刺激的な日々に充実感を漂わせている。
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明暗分かれた日本代表9月シリーズ
途中出場となった米国戦では、ダメ押しの追加点をマークした 【Photo by Lars Baron/Getty Images】
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テスト的意味合いの強かった日本代表の9月シリーズで、三笘は米国戦で途中出場し、ダメ押しの追加点を挙げた。この試合ではきっちり結果を残した一方で、先発のチャンスを得たエクアドル戦では不発に終わった。三笘にとって、2試合は明暗がハッキリと別れることになった。
では、三笘自身はこの9月シリーズをどのように捉えているのだろうか。相手の陣形がやや間延びした状況で奪った米国戦のゴールについて次のように振り返る。
「ボールを受けた位置が低かったので、ドリブルして選択肢を見ながら前に進みました。ある程度スピードを上げた状態のまま、駆け引きをしながら前に入っていった形でした。長い距離になっても、スピードを落さずに前にいけたのはよかったです。ただワールドカップ(W杯)になると、あそこのスペースは潰されてくるんじゃないかなと思います」
それに対して、先発したエクアドル戦では「守備」や「周囲との連携」といったタスクをこなしながらプレーしたが、大きなチャンスを作れなかった。三笘は反省の言葉を口にする。
「ちょっと考えることが多すぎました。もっとシンプルにプレーするというか、自分の役割をまっとうすることにフォーカスしても良かった。だけど、あの試合のようなシチュエーションはこれからも出てくると思います。その中で求められていることができたと言うつもりはありません。(あまり良い形を作れなかった?)そうですね、そういう評価は仕方ないかなと思います」