U-18侍ジャパンが世界で戦うために必要なこと 過去には「海外の洗礼」も…対応力に注目
代表にとって大切なのは「協調性」
西日本の選手が多く選出された今回のメンバー。どのようなチーム作りが進んでいくか 【写真は共同】
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28日に代表メンバーが召集され、この日は合宿4日目だった。初めてチームの雰囲気を目の当たりにしたが、思った以上に選手間での笑顔や、会話が多かったように思う。代表チームとはいえ、連合チーム。悲願の頂点を狙うには、短期決戦でいかにチームがまとまっていくかが重要性を占める。
11年から8度、筆者はU-18日本代表を現地の大会まで追って取材をさせてもらったが、毎年チーム作りについて取材をするたびに「チームワーク」「コミュニケーション」といったキーワードが行き交っていた。全国から特色の違った選手が集まり、個性の強い選手もいる。「世界一に向けてみんなで頑張ろう!」と一言で言っても、全員が同じ方向を向くわけではない。「世界一にはなりたいけれど……自分はこうしたい」とか「そういうのは自分のプレースタイルじゃない」とか、そっぽを向く選手もいるからだ。そういった選手が、いかにチームの中に溶け込み、協調性を持ってやっていけるのかもポイントとなる。
今年のチームは大阪桐蔭から4人、九州国際大付から3人、という人数でも見るように、関西圏や九州といった西日本の選手が多い。東日本からは聖光学院から2人、仙台育英、市船橋、山梨学院から各1人と例年に比べると比較的少なめだ。以前、関西圏の選手の選出がかなり多かった年に、関西のパワーに圧倒されていた選手がいる中、そのノリに徐々に溶け込み、全員が引き込まれてチームが明るくなったこともあった。
主将の山田が、プレーでも背中でもチームを引っ張る
甲子園でも大きなインパクトを残した山田が、今回の主将を務める 【写真は共同】
チーム内ではかねてから交流のあった松尾汐恩(大阪桐蔭)、浅野、渡部海(智弁和歌山)らとともに行動を一緒にすることが多いが、近江高校でも、周りを見ながら行動に移し、発言もできるキャプテンだった。山田は一目置かれる存在かもしれないが、それぞれが世界一になるためには何が必要なのかを考え、個々の技術を高める中でも気持ちも束ねられるか。慣れない異国の地での試合を重ねるうちに、自然と絆が深まっていくことも多い。