連載:高校野球 ポジション別プレイヤーランキング

「ポジション別選手ランキング」外野手編 昨夏の甲子園でも躍動、プロ注目のスラッガーが1位

西尾典文
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強肩、強打、俊足の好素材が揃った外野手のランキング 【西尾典文】

 高校野球ポジション別プレイヤーランキング、最終回は外野手編の上位10選手を紹介する。例年のような、「ドラフトの超目玉」が不在と言われているが、入学時からコロナ禍で十分な練習ができてこなかった世代であるため、将来性や今後の伸びしろという点では、例年以上に楽しみな選手が揃っているとも言える。果たしてどんな顔ぶれが並ぶのだろうか?

10位:前田一輝(鳴門3年/190cm93kg/右投右打)

 日本人離れしたスケールの大きさが魅力の大型外野手。1年時は投手として注目されたが、新チームで外野手に転向すると昨年秋の四国大会では打率5割をマークし、チームの準優勝にも大きく貢献した。選抜では初戦で大阪桐蔭に敗れたものの、シートノックではたびたび好返球を見せ、打っても鋭い当たりのセンター前ヒットを放つなど、強い印象を残した。

 まだ体の「割れ」は不十分で少し崩されやすい課題はあるものの、無駄な動きは少なく、振り出しの鋭さとインパクトの強さも目立つ。夏は厳しいマークの中でどこまで結果を残せるかに注目だ。

9位:廣崎漣(浜松開誠館2年/175cm73kg/左投左打)

 高いレベルで走攻守三拍子揃った万能タイプの選手。この春はセンターとピッチャーを兼任し、フル回転の活躍でチームを静岡県大会、東海大会優勝に導いた。抜群の脚力を生かした守備範囲の広さと、速くて正確な返球はシートノックの時から明らかに1人だけレベルが違う。

 体はそれほど大きくないが、バッティングも全身を使った鋭いスイングでヘッドがきれいに走り、ミート力も高い。投手としても高い能力を誇るだけに、秋からの新チームではエースになる可能性もありそうだが、将来は外野手として勝負したい素材だ。

8位:藤田大清(花咲徳栄3年/187cm82kg/右投左打)

花咲徳栄から8年連続のプロ入りがあるとすればこの選手 【西尾典文】

 7年連続でドラフト指名を受けている花咲徳栄だが、今年のチームで最有力の候補となりそうなのがこの藤田だ。レギュラーをつかんだのは新チームからで、昨年秋は結果を残すことができなかったが、一冬を超えて大きく成長。春の県大会では3回戦の東農大三戦で打った瞬間に分かる満塁ホームランを放つなど、中軸として十分な働きを見せた。

 187センチの長身を生かした強打が持ち味で、楽に振っているようでも外野の頭を越える長打力がある。肩の強さも申し分ないだけに、夏は走塁面でもアピールしたいところだ。
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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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