永田実が“実況席”と“観客席”で観るBリーグ お得感のあるイベントに家族も満足
プライベートで訪れたとどろきアリーナでは
会場で販売されたレプリカジャージにご満悦の筆者 【写真:本人提供】
舞台は、川崎ブレイブサンダースのホーム、とどろきアリーナ。
しかも日時は、12月24日、クリスマスイブのナイトゲーム。
自腹でコートサイドのチケットを手配して…なんていうのなら父親の威厳も爆上がりでカッコいいのだが、実際のところはチームが行っている地元小学校のホームゲーム親子招待に当たって手に入れた2階席。
妻は特にスポーツに関心は無く、観戦歴もボクに連れられて野球やサッカーを数試合程度。
子どもたちは、やるのも観るのもサッカー。
そんな家族が初のバスケ観戦でどんなリアクションを見せるのか?
ティップオフまでの時間はホーリーナイト気分の場内演出や選手のウォーミングアップを眺めてのんびり過ごす。
仕事を離れたプライベートでのスポーツ観戦なんてどのくらいぶりかちょっと覚えていないが、アリーナグルメの川崎名物『タンメンチカツサンド』、家族の評判は上々。
ふだん辛口の妻は、サンタ帽をかぶってマイク片手にしゃべっているアシスタントMCの女性をスマホで調べて「この子、カワイイ」などと珍しく褒めている。
そしてティップオフ前の選手紹介。
次男はコートサイドに上がる本物の火柱に興奮しつつ、早くもアリーナMCの『リューセイー、シノヤーマーー!!』をマネがクセになったようだ。
試合は終始、川崎がリード、対戦相手の大阪エヴェッサが追いかける展開。
サッカーの練習が終わり、ちょうどハーフタイムごろに長男が駆け付ける。
その長男、「あの変わった走り方してる選手(ニック・ファジーカスのこと)のシュートのうまさがヤバい」とか、「あの選手の3ポイントのシュートフォームはクセがある」などと、かなりいっぱしの口をきくようになってきていることも分かった。
子どもたちにとっては大男よりもすばしっこく動ける選手の方が魅力的に映るらしく、試合の中で見つけたお気に入りは川崎の藤井祐眞と篠山竜青、とりわけスティール連発の篠山にはやんやの喝采。
ゲーム中、アリーナDJにあおられつつ揃える掛け声「GO THUNDERS GO,THUNDERS GO!」や「ディーフェンス、ディーフェンス」も完全に刷り込まれた様子。
最も意外だったのは、一番集中して観ていたのが妻だったこと。
2階席のしかもゴール裏で、目の前の手すりがやや妨げにもなったりと言ってみればそこまで条件の良い席ではなかったにもかかわらず、「展開が速くて面白かったし、けっこう集中して観ちゃった。ずっとBGMとか演出で音が流れているのもよかった」と、初のBリーグ観戦をかなり堪能した様子だったのだ。
Bリーグはお得感いっぱいのイベントです
日常的にはなかなかお目にかかれないような大きな人たちが器用にボールを扱い、かと思えばド迫力で飛んだり跳ねたり走ったり、ボールをリングに叩き込んだり。
ハーフタイムにはチア・ダンサーズのパフォーマンスはもちろん、さらに歌やダンス、時には大道芸やBMXなどの実演が楽しめたりすることも。
試合に目を向ければ、オンコートもオフコートも助け合いが重要で、ハイタッチをしたりハドルを組んだりコミュニケーションが非常に密。
派手なオフェンスだけでなく、泥臭いディフェンスでもヒーローになれる。
これは子供の教育にもよさそう。
しかも、外は寒くても快適な屋内空間である。
そしてどの席からも、コートはかなり近くて見やすい。
ライト層を取り込んでいきたい日本のスポーツ観戦文化において、これはなにげにかなり重要な要素だ。
そんなこんなで初のBリーグ家族観戦は好評のうちに幕を閉じた。
これなら次回の観戦計画にも、喜んで付き合ってくれそうだ。
次はたまたま当たった招待席ではなく、コートサイドとまではいかなくとももう少し観やすい席を買わないとなぁ。
そのためにまた、Bリーグの実況を1試合でも多くしゃべってなんとかお金を稼がなければならない2児の父なのである。
企画構成:バスケットボールキング