若者がエンジョイできる空間を創出“リアル”を体感しながら“バーチャル”に没入できるユニコーのハイスペックシミュレーター

GEW(月刊ゴルフ用品界)
グラフィックデザイナーの伊丹谷大介社長が立ち上げた「Golph.club」(ゴルフクラブ)は、白壁ベースで明るくて開放感にあふれるインドアスタジオ。アクセスが便利で、アーケード商店街の一角にあるこの店舗には、経験や腕前を問わずゴルフやファッションに興味がある若者が足を運び、シミュレーションゴルフをエンジョイしている。そこには、アメリカでもシェアを伸ばしているユニコーの高精度・高品質なシミュレーター「EYE XO2」が設置されていた――。

ユニコー『EYE XO2』は反応速度がよくて正確

GEW お店のターゲットはどういう客層でしょうか?

伊丹谷 完全に40代以下と割り切っています。若い人、これからゴルフを始めたい人、もしくは知り合いにゴルフをやっている人がいて、一緒に始めたいと思っているような人たち。仲間が集まる場所にしたかったんです。「ゴルフクラブ」という店舗名も、Golfの〝f〟が〝ph〟に。「A New Golf Phase(ニュー ゴルフ フェーズ)」というコンセプトを私が提唱しています。

【グラフィックデザイナーの伊丹谷大介社長】

GEW こちらに導入しているシミュレーターは、ユニコーの『EYE XO2』だと思いますが、その選定理由を教えてください。

伊丹谷 もともと『GSPro』というアプリケーションを使いたいなと思っていたんですが、その『GSPro』が一番快適に作動する環境を探していたときにユニコーさんと出会いました。一度、ショールームのほうで試させていただいたときに、反応速度がすごくいい。実は、アメリカでも『GSPro』を採用しているインドアがかなり多くて、ユニコーの製品が多く採用されているようです。とくにショット時のデータが、他のメーカーとは違って正確性が素晴らしい。「これしかないな」っていう感じですね。

GEW では、その『GSPro』について、詳しくお聞かせください。

伊丹谷 コース上を自由に移動して、好きなところから何球も練習できたりします。もちろん打った飛距離などの数値も出るんですが、通常のシミュレーションゴルフはラフから打ったら(飛距離が)マイナス20%とか、バンカーから打ったらマイナス40%とかありますが、この『GSPro』が面白いのはそういったことがないというか、どれくらい飛距離が減るかは打ってからしか分りません。説明書にも書いてありますが、実際のゴルフだってそうでしょって。そういった〝ゴルフ愛〟もスゴくあるソフトウェアで、ゴルフをやる人にとっても勉強になるという、シミュレーションゴルフとして適切かなと思っています。

GEW リアルさを求めたマシンですね。

伊丹谷 設定もかなり細かくできます。ピンの位置や芝(グリーン)の速さ。そして〝OKパット〟の範囲、コースは実際の高度でやるか高度0でやるか、フェアウェイの硬さ、ティーアップの位置、マリガンのありなし、風の強さ―。ここまでいろいろできるのは『GSPro』だけでしょう。うちの施設は4人までしか入れませんが、このソフトウェアは最大8人でプレーできます。

この『GSPro』は1000コースが収録されています。著名なコースをはじめ、ファンタジーコースと言われるゲーム性の高い、例えばゾンビが歩いているようなところでゴルフができたり、そういう〝遊び心〟があるコースとかもアリ。『マインクラフト』というゲームがありますが、それと同じエンジンで動いているもので、ユーザー同士のコミュニティがあって、そこでコースを開発する人がいて、自分である程度のレギュレーションに従ったコースをアップロードしてみんなでプレーしよう、みたいなことができてどんどんコースが増えています。あとは、コースデザイナーのファンになって支援することで、その人が許可した人だけコースを回れるとか。

GEW そんなことまでできるんですね!

【Golph.club】

シミュレーションゴルフのポテンシャルを確信する

伊丹谷 ゴルフ場には許可を取っていかないといけませんが、日本のコースを私が『GSPro』でどんどんアップデートしていきたい。そうすることで、海外の人たちにも日本のゴルフ場を体験していただけるでしょう。海外の人って、日本でプレーしたいっていう声も多いんですよ。そういう人たちに、例えば日本の紅葉がキレイなコースとか、桜がキレイなコースを再現して楽しんでもらうことで、日本に来たときの目的の一つとしてゴルフをしていただければ。

今は(10月某日)ちょうどハロウィンの時期なので、ゾンビが町の中を徘徊しているコースをご覧いただきましょう。ミスをすると叫び声が聞こえたり、ピンフラッグに血がついてたり、血の池になってたり、街が燃えていたり―。音もちょっと怖いサウンドが流れてるんですよ。

【ゾンビが町の中を徘徊しているコース】

GEW その他のアイディアもあるとか。

伊丹谷 あとは、オンラインマッチ。大阪⇔東京間でもオンラインで戦えるのはもちろんですが、世界中の人たちとプレーができることなどが特色としてあります。これも『マインクラフト』のオンラインと一緒で、ルームを作ってみんなが参加することで一つのゴルフ場でオンラインマッチができる、というような機能も入っています。

GEW 伊丹谷さんは業界にどんなことを提起していきたいのでしょうか?

伊丹谷 現状ではシミュレーションゴルフっていうのは〝ゴルフ練習場〟として捉えられていることが多いでしょう。ボク自身はシミュレーションゴルフの伸びシロを考えたときに、リアルゴルフを凌駕するようなところもたくさん出てくるんじゃないかなと。もちろんリアルゴルフがいいことは間違いないし、ここでゴルフを始めた人がリアルゴルフに行くのも素晴らしいことだと思います。でも、面白いシミュレーションゴルフ場に行ったことがありません。

【Golph.club】

GEW 具体的にはどういうことですか?

伊丹谷 複数打席だと隣にスゴく気を使うみたいなことがあったり、ゴルフを本当に楽しめる環境も少なすぎるところと、ストイックすぎるようなところがあったので、そういうイメージを覆せるような展開をしていきたい。そして『Golph.club』を日本中に増やしていきたいです。

将来的な目標は10年で100店舗。

もちろんユニコーさんのご協力のもと、これからよりシミュレーションゴルフの良さを体験してもらえるイベントとかを組んでいって、そのイベント会場とか『Golph.club』でしか参加できないような、eスポーツみたいな感じでシミュレーションゴルフを広めたい。

シミュレーションゴルフを体験したけどあんまり面白くないなと思った人やシミュレーションゴルフに興味はあるけどやったことがない、という人にもぜひ体験していただきたい施設です。設定もリアルなゴルフにかなり近づけるようにして、プロゴルファーでも上級者でも初心者でも、お子様でもご家族でも楽しんでいただける施設になっています。
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著者プロフィール

1978年2月創刊のゴルフ産業専門誌「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行。2000年5月から影響力のあるコアゴルファーを対象にネット情報を発信するウエブサイト「GEW」を立ち上げた。各種業界団体と連携、ゴルフ市場活性化への活動も推進中。

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