名門・帝京で黄金期を築いた古沼貞雄氏 選手権で6度の優勝、勝ち続けた極意とは
帝京で黄金時代を築いた古沼貞雄氏。現在は矢板中央のアドバイザーを務める 【栗原正夫】
「39年も1つの仕事を全うできたのは情熱があったから。もちろん、私1人の結果ではなく、選手やスタッフの情熱にも助けられました」
自らの足で待ち合わせ場所に姿を見せた古沼氏は、そう言うと穏やかな笑みを浮かべた。
今年100回大会を迎える選手権では08年以降、アドバイザーとして携わる栃木県代表の矢板中央のベンチに座る予定。いまだ情熱を燃やし続ける名将に、高校サッカーで結果を出し続けてきた‟極意”を聞いた。
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元々はサッカーの素人だった
古沼氏が20代半ばで赴任した1960年代当時の帝京は、全国で勝てるほどの強豪校ではなかった 【写真は共同】
「最初は、2、3年の腰かけのつもりだったんです。元々は私自身、サッカーの素人でした。板橋区にある帝京は(当時静岡、広島とともにサッカー御三家の1つだった)埼玉県からも近く、川口市とか旧浦和市などからボール扱いの上手な生徒がたくさん来ていて、選手権には1年目から出られました。ただ、全国ではせいぜい1、2回戦。それでも僅差で負けたチーム、たとえば65年度の1回戦で0-1と敗れた京都商(京都)はベスト4、67年度の1回戦で1-2と敗れた洛北(京都)は準優勝と帝京に勝ったチームがいいところまで進むのが悔しくて……。それで、あのチームができるならウチもと火がついたんです」
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