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21年JリーグMVPの川崎Fレアンドロ・ダミアン「来シーズンは必ずACLのタイトルを」

林遼平

23ゴールの中で最も印象深いのは…

見る者の度肝を抜いたあのゴールは「相手GKが前に出てくるのは分かっていた」と冷静だったという 【(c)J.LEAGUE】

――2019年に来日して以降、毎年のようにパフォーマンスが向上しているように感じます。日本に来たことで成長した部分はありますか?

 言葉で表すのは難しいですね。ただ、日本に順応したところはあると思います。それは自分の努力だけでなく、チームメートや監督がフィットするようサポートしてくれたからこそ、結果を残せるようになったと感じています。

――では、今シーズンのゴールの中で最も印象に残っているものは?

 ファン・サポーターのみなさんからは「(第16節の)アウェイの湘南ベルマーレ戦のゴールが印象に残っている」と言われることが多いですが、自分の中では神戸戦のロングシュートが印象深いですね。さすがにあれだけのロングシュートを決めたのは初めてです。そういう意味でも印象に残っています。

――見事なトラップからの振り向きざまのロングボレーシュートでした。あの場面をもう一度、振り返ってもらえますか?

 今シーズンは、チームスタッフから映像をもらって常日頃から相手チームを分析するようにしていました。だから、あのシーンに関しても、(谷口)彰悟からパスを受けた瞬間、相手GKが前に出てくるのは分かっていたので、GKの位置を確認して狙おうと思っていたんです。

――チームとしてだけでなく、個人でも相手チームの映像を見て分析しているんですか?

 うちのチームでは、監督やコーチングスタッフから相手の分析映像が私たち選手一人ひとりに送られてくるので、それをよく見ています。それだけでなく、個人的にも相手チームを分析するのが好きなんですよね。分析しておくと、実際に試合で楽にプレーができますから。昔から分析することが好きで、私からコーチングスタッフにお願いして映像をもらうこともありました。

 相手を研究し、その特徴を理解するのは重要なことです。ただ闇雲に走り回っているだけでは、相手を攻略できません。事前に分析映像を見ておけば、どこにスペースが生まれるのか、こういう状況ではどう動けばいいのか、試合中にイメージしやすくなるんです。サッカー選手にとって走ることは大事ですが、分析しておけばもっと楽にプレーできる。こうした細かい積み重ねが自分のプレーにつながっていると思います。

レアンドロ・ダミアンという名の由来は…

お馴染みの髭ポーズだけでなく、漫画のポーズもたびたび披露。パフォーマンスでもスタンドを沸かせた 【写真は共同】

――今シーズンは昨年とは違って徐々にコロナの緩和もあり、スタジアムにサポーターが戻ってきました。大勢の観客の前でプレーする喜びを感じられたのではないでしょうか。

 私たちサッカー選手にとってファン・サポーターの方々はすごく大切な存在です。ファン・サポーターの方々が後押ししてくれるからこそ、私たちは高いモチベーションで、勇敢に戦えます。だから、みなさんがスタジアムに戻って来られるようになって本当にうれしいです。今はコロナ禍で、日常生活においても制限があるので、スタジアムで解放感を味わうことも大切だと思います。みなさんがスタジアムで楽しめていたらうれしいし、ファン・サポーターが喜んでいる姿を見られて私も幸せです。

――大切な存在であるファン・サポーターに23回もゴールパフォーマンスを見せることができましたね。

 本当に楽しく過ごすことができました。ベビーシャークのパフォーマンスをしたり、父の髭ポーズや幽遊白書のポーズをしたり。私は漫画が好きなので、みんなと楽しめるパフォーマンスができてよかったです。

――お父さんの話が出ましたが、今回のMVP、得点王、ベストイレブンのトリプル受賞はすでに伝えましたか?

 日本で一緒に暮らしている奥さんには報告しましたが、ブラジルの家族はまだ寝ている時間なので、起きる頃にこのニュースを届けたいと思います。髭のゴールパフォーマンスは、常に父に捧げています。父がいなければ今の自分はいないと思っています。私がサッカー選手になることが父の夢でしたし、レアンドロ・ダミアンという名前は、父がかつて好きだった選手の名前なんです。これから父のためにゴールパフォーマンスをたくさんできるように頑張っていきたいです。

――先日にはクラブとの契約延長が発表されました。来シーズンは、川崎フロンターレに何を残したいと思っていますか?

 まずフロンターレとの契約を延長することができて、うれしく思っています。今シーズン、周りからは素晴らしいシーズンだったように見えるかもしれませんが、自分たちにとっては、ACLで優勝できなかったことが悔やまれます。PK戦の末に敗退してしまったので、来シーズンは必ずACLのタイトルを勝ち取りたいと思います。目標を達成できるように頑張ります。

(企画・構成:YOJI-GEN)

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著者プロフィール

1987年生まれ、埼玉県出身。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任し、『Number Web』などにも寄稿している。

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